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[オピニオン]カネでやり取りされる「社会ボランティア」

[オピニオン]カネでやり取りされる「社会ボランティア」

Posted November. 24, 2003 22:54,   

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1970年代には小さいながらも権力を持っていたり資産がある人は、どんな手を使ってでも予備軍訓練に参加しなかった。中隊長に賄賂を使って訓練に参加しなかったり、カネにモノを言わせて他の人を代理出席させたりすることも多かった。何の罪もない運転士や会社の日雇の人が代理参加者に化けるのが常だった。羽振りのいい人の中には、「私は生涯一度も予備軍訓練のようなものなど受けたことがない」と自慢げに話す人もいるほどだ。地方公演や撮影などで訓練に参加できず、告発された芸能人の話がたまに新聞のゴシップ欄に登場したりした。

◆庶民は身体を張るしかない。そうなると、それに同情した兄弟や友人が身代わりになる「生計型」代理出席もあった。1970年代半ば、明け方に行われた郷土防衛訓練に長期の地方出張に行っている技能職の夫の変わりに出席した夫人を目撃したことがある。予備軍の中隊長は訓練を励ますために参加した現役の大隊長に許しを求め、大隊長は「有事の際に夫の代わりでも自分がやろうとする女子の真心に感心した」として、異例に代理出席を認めた。予備軍は力強く拍手し、訓練の雰囲気はかつてどの時よりもよかった。そうかと思えば納得できるが、そうでないと思えばおかしな話の遠い昔の出来事である。

◆裁判所は未成年保護処分者には保護観察と同時に200時間以下、成人の刑事犯には執行猶予と同時に500時間の範囲内で「社会ボランティア」をせよと判例を下している。ところが、最近裁判所の社会ボランティアに参加しなかったり、代理出席をさせるケースが増えているという。昨年だけでも約600件の違反ケースが発生し、一昨日、仁川(インチョン)地検ではカネを受け取って社会ボランティア実績を捏造した者が背任・不法収益の疑いで拘束されたりした。社会ボランティアも金でやり取りする時代になったわけだ。そう思えば、その昔、夫の代わりに予備軍訓練に出たおばさんはエライ。

◆社会ボランティアの命令は、刑務所に行く代わりに貧しい人や心身の不自由な人を助けたり、各種の順法キャンペーンに参加することなのに、それさえも怠けたり、のらりくらりとやり過ごそうとするのは改悛の気持ちが見られない犯罪行為だ。予備軍訓練は有事の際に備えたもので、ある程度情状酌量も可能だが、社会ボランティアは罪を犯した人が当然払うべき「罪」の咎なのだから、これに対する便法と忌避は一罰百戒(一人を罰することで多くの人を戒めること)で戒めるべきだ。ましてカネでやり取りする社会ボランティアなんて。ところで、年間社会ボランティア命令を受けるおよそ4万5000人もの人を担当する人員はわずか93人だという。これできちんとした社会ボランティアが行われるのだろうか。これも問題である。

吳明哲(オ・ミョンチョル)論説委員 oscar@donga.com