盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領とハンナラ党の崔秉烈(チェ・ビョン二ョル)代表に聞く。この国の運命を北東アジアの片隅のみすぼらしい立ち遅れた国家に転落させるつもりなのか。国民が食べて生きる動力を失って国家指導者と政治を恨むように仕向けるつもりなのか。
盧大統領は、何の根拠があって、韓国経済が大きく心配することはない、危機から脱していると話しているのか。崔代表は、誰のために、何のために、ハンストをするのか。経済と民生は破綻しても、無限政争、政治内戦の大将をつとめるのが、国家指導者のすることなのか。果たして、この国を、富国クラブという経済協力開発機構(OECD)の加盟国らしい国としてリードしているのか。改めて経済に気を遣わなくてもいいから企業の足を引っ張ることだけはしないでほしいという企業人の絶叫が聞こえないのか。
世界に目を向けよ。どの国の指導者がこのような稚拙な政治をし、民生はほったらかしにして、重病にかかった経済の治療に手をこまねいているのか。盧大統領は中国に行った時に何を見たのか。中国の疾走に賛辞を送り、韓国を北東アジアの中心国家にすると声高に叫びさえすれば、自然にそのようになれると思うのか。昨今の政治と経済政策、市場状況を見守っていると「所得2万ドル時代」を実感し熱意にあふれる国民がどれだけいると思うのか。企業が満身創痍となり、失業者の悲鳴が高くなり、教育と科学技術の基盤は崩れつつあるのに、その間どんな対策を打ち出してきたのか。
崔代表は経済と民生問題は政府に積極的に協力すると話したが、何を協調したのか。急務の経済民生方案処理のために頭を抱えて、リーダーシップを発揮したことがあるのか。盧政権の経済運用に問題が多ければ、国民が信頼すべき代案を出してきたのか。国会議席過半数を占める政党の代表になった後、経済回復策を議論するために大統領と対話するといい、実際に会っては成長基盤強化のための委員会を作ろうと口先だけの話をしただけで、何をしたか。
他の国を見よ。中国、インド、ブラジル、ロシアが世界経済秩序の新たな強者として急速に浮上しつつある。インドは今年7%台の成長で、二ケタ成長の中国のすぐ後ろを追いかけている。韓国の成長はわずか2%台に留まり、その悪循環は投資、雇用、消費など経済全般にわたってさらに厳しくなっている。
盧大統領とほぼ同時期に登場したブラジルの労働者党出身のルラ大統領は、左派のイデオロギーと民衆主義をさしおいて、国家再建と経済立て直しのための政策プログラムに全力を傾け、ブラジルの再起を世界に見せつけている。盧政府がまだ1年足らずの政府だということは弁明になりえない。5年以内に何をする、10年以内にどのようにするという約束はそれで十分だ。直ちに実行に移して経済と民生の新しい光を見せられない無能と無責任を、リップサービスでごまかそうとしてはいけない。
米経済が早いスピードで回復し、日本もようやくその流れに乗った。だが、韓国は来年も世界的な経済回復に最も立ち遅れたグループに属するだろうと見られている。日本をはじめ、先進国との技術の格差はさらに広まりつつある。むこう10年間の将来性がシンガポールや台湾よりも遅れているという分析を反駁する根拠もない。むしろ自由貿易協定(FTA)締結国間との貿易が世界貿易の70%を占めている状況で、FTA一つ締結できない一人者に取り残されるかも知れない。
盧大統領と崔代表に促したい。政府と与野党が経済と民生の突破口を開く総合設計に一緒に取り掛かれるウィン・ウィン(Win—Win)のリーダーシップを見せるべきだ。来る日も来る日も政争に明け暮れ、総選挙の勝敗に命をかければ、盧大統領も崔代表も、国運を衰退させた罪を免れがたいだろう。