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「医療ショッピング中毒」9万人あまり

Posted November. 28, 2003 00:40,   

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もちろん、病気が好転しなかったり、小さい子供たちが病にかかった場合は、病院をよく訪れるしかないため、「医療ショッピング」と一概に決め付けるわけには行かない。

しかし、軽い症状でも病院を転々とする患者たちと、正確な診断と説明よりは患者の不安につけこんで、重複診療をあおる病院と医者が少なくなく、無分別な重複診療と健康保険料の浪費をもたらしているという指摘だ。

本紙の取材チームは風邪の患者2人が、それぞれ一日2ヵ所の町の病院で診療を受ける過程を同行取材し、「医療ショッピング」の実態に迫ってみた。

▲無条件に「再度診療を」〓喉が痛くて微熱が出ている風邪の患者である朴さん(56・女・ソウル九老区新道林洞)は25日午前、町の内科を訪れた。医者は「喉がちょっと腫れました。平凡な風邪ですので、ゆっくり休んで、家では加湿器をつけてください」とアドバイスし、注射を一本打った。朴さんは処方箋を手にして薬局で2日分の薬を調剤してもらった。

朴さんは30分後、永登浦区(ヨンドゥンポク)の他の内科を訪れた。彼女は医者に「少し前、他の病院からは『平凡な風邪』だといわれたが、一週間も風邪が治っていないので不安だ」と言った。

すると、医者は笑顔で「よく来られました。風邪は初期に治さなければならないんです」と言って、同病院に来る前に注射を受けたか、どんな処方箋をもらったのかなどを確認もせずに、簡単に「注射を一本受けて帰ってください」と話しただけだった。

風邪の患者である李さん(28・ソウル江東区明逸洞)も似たような経験をした。24日午前、麻浦区(マポク)のある内科で注射を受けた李さんは、町の耳鼻咽喉科を訪れ「ずっと喉がいたい」と訴えた。

この病院の医者も李さんが、直前の病院でどんな診療を受けたのか、処方箋はどんなものだったのかも尋ねず、注射を受けろと話した。これに対し李さんが「午前に注射したが」とためらうと、医者は「大丈夫だから、もう一本注射して行きなさい」と強制した。注射を受けて処方箋を受け取った李さんは、看護婦から「明日もう一度来てください」という言葉を背に、病院を出た。

▲医療ショッピングの実態と原因〓国民健康保険公団によると、昨年、重複診療を受けた患者のうち、風邪の患者(30%)と皮膚疾患者(16.2%)がもっとも多い割合だった。4万人に近い風邪、皮膚疾患者が5日以内に3ヶ所以上の病院を転々としているわけだ。

患者が医療ショッピングにおちいるのは「下手をすると重い病気にやられかねない」という恐怖から出発する。とりわけ、病気が早く好転しない場合、重複診療につながる。現に、国民健康保険公団が先月4回以上の重複診療者3028人を対象に行った訪問調査の結果、58.4%(1770人)が「病気が早く治らないから」と回答した。

より大きな問題は、このような不安感を悪用する病院と医者たちだ。

動向取材に応じた朴さんも「年をとったら、ささいな病気に対しても不安になってしまう。しかし、あるひとつの病院だけでも症状について詳しく説明してくれれば不安感がやや和らぐだろうが、いつも注射だけして帰れというから、自然に他の病院に足を運ぶことになる」と述べた。

健康な世の中ネットワークの趙慶愛(チョ・キョンエ)代表は「治療より患者の数にしか目の向かない一部の医者のため、重複診療が消え去らない。医者の倫理意識が高まらない限り、不要な診療とこれによる健康保険料の無駄遣いには歯止めがかからないだろう」と指摘した。



李完培  roryrery@donga.com jarrett@donga.com