小説家の金勳(キム・フン)さんは1999年秋から1年間、彼の自転車「風輪」で全国の津々浦々を旅し、『自転車旅』というエッセーを書いた。彼は同書で「自転車を漕いでいく時、世の中の道が身体の中に流れてくる。すべての道を歩むことはできないとしても、生きた体で車輪を転がすことは福たることだ」と自転車での旅を表現している。
冬だ。寒いからといって家にばかり閉じこもっていないで、外に出て自然を感じてみよう。体で車輪を転がして、道だけでなく、道ではないところも走るMTBを紹介したい。
MTB(MountainBike、山岳自転車)は山岳や険しい道などを走れるよう丈夫に作られた自転車の通称。1970年、米国の道路サイクル選手のG.フィッシャーが一般サイクルにモーターサイクル用車輪と自動車クッションなどを付けて山で乗ったのが最初で、80年代初め韓国に導入された。また、1996年米アトランタ五輪から公式種目に採択されている。
山岳丘陵を疾走するために車輪の直径が20〜27インチと道路用サイクルより小さく、その代わり厚さは1.5〜2.5倍厚くて「モータークロス(オートバイ型)自転車」とも呼ばれる。傾斜地を上り下りしやすくするため、車輪に12〜21段倍率のギアが装着されており、ショック・アブソーバーと呼ばれる緩衝装置とクッション、ブレイクなどが特殊設計されているのが特徴。
プロが活性化している欧州や米国、日本などではMTBワールドカップをはじめ、各種のオープン大会があり、韓国でも大韓サイクル連盟と全国MTB連合会の主催で各種の国際大会と全国大会が開催されている。
大会種目は、山岳稜線を走り抜く20〜100kmクロスカントリーと、ヒルクライミング(坂道上り)、ダウンヒル(坂道下り)、スキーの大回転に当たるデュアル・スラローム、スキーのジャンプに当たるトライアル競技などがある。
初心者がMTBを習う最も早い方法は同好会に参加することだ。多くの同好会が初心者のための講習会を開いている。同好会のメンバーたちと自転車に乗っていくうちに、いつの間にか専門家になっている自分がいるのだ。現在、国内には自転車ショップを中心に600以上のクラブ、20万人以上のマニアが活動している。
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