「感じが『毒々しい』ですって」
コメディアンのチョン・ジュンハ(32)のニックネームは「毒々しい味の6週」だ。彼のギャグは面白いが、イメージが強烈で毒々しいという意味だ。そのため、彼の出るコーナーは「6週」を越えたことがないという。
そんな彼が近ごろ「魔の6週」をはるかに越えて、遅れ気味の人気を実感している。5月初めスタートしたMBCの「コメディーハウス」(土曜午後7時)の「ノー(No)ブレーンサバイバル」コーナーが8ヵ月目のロングランを記録し、代表コーナーに定着したもの。MBCの「日曜日日曜日の夜に」の「ブレーンサバイバル」をパロディーにしたこのコーナーは、「知能どころか頭がなくても良い」と標榜する馬鹿者らのクイズショーだ。
チョン・ジュンハは馬鹿演技を披露しながら、「僕が当てれないという偏見を捨てて」、「携帯電話に対する痛い記憶があります〜よ」、「OK、今日面白そうだな。ヒアウィゴー」、「携帯電話を2度殺すことだってば」など、流行語を作り続ける。2日現在、インターネット検索サイトの「ネイバー」でコメディアン部門検索語1位。
「僕は『ただの』馬鹿とは違います。『論理的な』馬鹿です」(笑)
チョン・ジュンハは自分がヨング(シム・ヒョンレ)、メング(李チャンフン)の馬鹿演技とは違う道を歩むと話す。ヨングとメングは自らが自信がなく、ウズウズする小市民的な姿を見せて、視聴者に相対的な優越感を与えたことに対して、自分は荒唐無稽ではあるが、論理的で執拗に何かを主張し続ける「能動的な馬鹿」だという。
「馬鹿」ではあるが彼は「偏見を捨てて」、「認めてもらおうと」、「僕はわざと(問題を)解きませんでした。うさぎに対する悪い記憶があります」と主張する。「スピードクイズ」を通じてチョン・ジュンハは論理的な筋を通しながらも、「イメージの衝突」が生まれる答えを連発する。誇張されたというよりは知能的だ。
「(問題)真白な肌で有名な『デジャングム』の主人公の名前は?」「(答え)アンドレー金」
「(問題)クリスマスに煙突から入ってきてプレゼントをあげる人は?」「(答え)トンおじさん」
「(問題)電球を発明した発明家は?」「(答え)ウンサムちゃん」
「『フンブ、ノルブ』で悪い人の名前は?」という質問に「2人の中の1人」と答えて、「ゴブクソン(亀の形をした船)を作った人は?」という質問に対しては「数人。李舜臣(イ・スンシン)1人で作ったわけがない」と聞き返す。
「コメディーの方の人々は『イメージが悪くなる』といって、人を苛める役はもう避けた方がいいとアドバイスします。反面、ドラマの方の人々は『もう馬鹿演技はやめる時じゃないの』と言いますし」
チョン・ジュンハはコメディアン李フィゼのロードマネージャーをやっていて、プロデューサーの目に止まって、1995年MBC「テーマ劇場」でデビューした。初の役目はレストランのロビーで灰皿を持って李フィゼがはたくタバコの灰を受け取るウエーターだった。垢すり、暴走族、泥棒、犬商人などでコミックドラマに端役出演して、デビュー9年にしてSBSの週末ドラマ「千年の愛」(5月放送)で荒っぽくてコミックな組織暴力団行動大将で出演してから注目され始めた。
今はMBCの週末ドラマ「回転木馬」で主人公のジンギョ(スエ扮)を虎視眈々と狙う「インチョル」として出演して深い印象を残している。
「前はどの番組で何をやっても人々が僕のことを知りませんでした。今はつまらない話をしてもみんな爆笑するんですよ。僕はマネージャーをやってみたんですから、人気の本質を分かっています。『来年1月には誰も僕のことを探さなければどうするか』といつも強迫観念に悩まされるんですよ」
テレビ、ラジオ出演で一日2〜3時間しか眠らずに、4、5個の「殺人スケジュール」をこなしている。ソウル江南(カンナム)にカラオケ2店を運営中の彼は、芸能企画社を作る計画を立てながら、事業家としても手腕を発揮している。
「学生時代から『お前は大人になって何するつもりか』という話を耳にたこができるほど言われてきました。もう堂々と答えられますよ」
李承宰 sjda@donga.com