最近、興行旋風を巻き起こしている『オールドボーイ』を制作した朴贊郁(パク・チャンウク)監督(40)と今年韓国映画界の最大興行作である『殺人の思い出』を演出したボン・ジュンホ監督(34)がいずれも民主労働党(民労党)の党員という事実が知られて話題だ。民労党は2人の監督が新しい技法で作品性を認められて興行大当りを出したように、来年の総選で自分たちが突風を巻き起こすものと期待している。『オアシス』と『浮気をした家族』での好演で演技派俳優としての地位を固めたムン・ソリも民労党党員だ。美男俳優のリチャード・ギアによってチベット仏教に対する認識が変わったように、民労党のイメージが少しは違って見える。
◆ハリウッドは伝統的に民主党の票田だ。第2次世界大戦後、魔女狩り式で左寄りのハリウッド人士を大挙追い出したマッカーシズムに対する反感に加え、1960年代に作られた『私たちに明日はない』『イージー・ライダー』 のような映画が反戦反体制ムードを高めたからだ。民主党が暴力、セックスなどに比較的寛大な立場を取っているのに対して、共和党は麻薬、セックス、同性愛を嫌悪していることとも関連がある。ハリウッドは弁護士業界の労働組合と共に民主党の3大資金先で、この12年間ハリウッド政治献金の64%が民主党、35%が共和党に入ったという統計もある。
◆ロバート・レッドフォード、ロバート・デ・ニーロ、トム・ハンクス、ニコラス・ケージ、ショーン・ペン、ジェーン・フォンダ、スーザン・サランドン、シャロン・ストーンなど有名俳優たちが民主党寄りだ。共和党を支持する人は最近カリフォルニア州知事になった「ターミネーター」のアーノルド・シュワルツェネッガーと「ダイハード」の主人公ブルース・ウィリスぐらいだ。ホモ嫌悪論者であるうえに愛国心を鼓吹する映画にたくさん出演したメル・ギブソンは左寄りのハリウッド人士が一番嫌やがる俳優だ。マッカーシズムの最中で共産党員で活動した仲間たちを告発したエリア・カザンは『エデンの東』『ウォーターフロント』『草原の光』を制作した名監督であったにもかかわらず、後半生をずっと挫折と孤独の中で過ごさなければならなかった。
◆政界が文化芸術界の人士とスポーツ英雄たちに絶えず関心と愛情を傾けるのはスターたちの高い認知度と大衆動員力のためだ。各種の政治集会や演説会に彼らが参加して雰囲気を盛り上げた場合、その破壊力はおびただしい。一部のスターたちは自分が直接政治の主役になるために政界に跳びこむが「付添い人」に止まってからは、寂しく「ハリウッド」に戻ったりする。そうしたことから、前途有望な両監督が「映画と政治的志向は別途であり、相変わらず監督の席を守る」と念を押しているのは非常に幸いなことだ。
呉明哲(オ・ミョンチョル)論説委員 oscar@donga.com