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[オピニオン]童謡

Posted December. 10, 2003 23:31,   

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「『1』秒でも会わなければ、こんな『2』も心配なのに、『3』秒も待てない。愛している…」。ポータルサイト、ジュニア・ネイバーに紹介された童謡キャンプソングの中で、コミックソング部門人気第1位の「数字の歌」だ。もちろん初等童謡のような「健全な」分野もあるが、人気投票の熱気は比較にならない。他の人気曲「野菜の歌」は、野菜をたくさん食べれば、肌やスタイルがよくなると歌う。子供だからといって、愛や容姿に関心を持ってはいけないということはなく、コミックソングがこのような子供たちの意識を反映したことも当たっているが、大人たちの心はすっきりしない。愉快で感覚的だが浅薄だ。子供たちがセクシーな流行歌に熱狂するよりはましだが。

◆童心のままで、永遠の眠りについた石童・尹石重(ユン・ソクチュン)先生の童謡が意味深く感じられるのもこのためだ。明るく生命力溢れるだけでなく、深みがある。「線路に面したあばら家生活、赤ん坊がよく眠る」には、すさんだ世の中でも、トウモロコシのようにスクスク育つ子供への希望に満ちている。『お母さんの前で』も単なる子どものいたずらを謡ったものではない。親子の意味と絆を易しく、短くも感動的に描いた作品が、他にあるだろうか。この童謡を聞いて、老いた母を思い、涙した人がいるほどだ。

◆12才で児童文学に惹かれ、92歳でこの世を去るまで、生涯を子供と一緒に暮したというから、先生は幸せな人生を送ったようだ。困難なこともあっただろうが、「童心のように楽観的な考えだったから、困難も容易に解決した」という知人の話だ。特に運動はしなくても「子供の運動」をして健康だったという生前の言葉は教訓のように聞こえる。みな子供の頃の心で生きることができるなら、世の中の難題も容易に解決できるかもしれない。先生も、1978年にマグサイサイ賞を受賞する席で、童心とは人間の本心であり、人間の良心だと言っていた。

◆童謡に関心のない近頃の子供を非難するのではなく、大人から童謡を振り返ればいい。先生の童謡『たけ比べ』は、「誰の背が高いか一度比べてみよう」と言って「背伸びしてはいけない」というルールを作った。不正と反則が横行する政局への峻烈な批判のように思える。正直に比べて同じなら、先生は「明日また計ろう」と言った。そうすればできるものを、大人たちは今でなければ身を亡ぼすかのように決断する。童謡を取り戻さなければならない人は子供ではなく、大人であることを先生は天国で教えてくれている。

金順徳(キム・スンドク)論説委員yuri@donga.com