双龍(サンヨン)自動車の新しいオーナーになる優先交渉対象者に中国の濫星グループが選定された。シャンペンをあまりにも早く抜いた韓国と新興工業国で粘り強く疾走してきた中国の逆転した現在を改めて確認することになる。「北東アジアの中心国家」をキャッチフレーズにしてきた韓国と「世界の工場」を越えて静かに世界を自国の工場に変えていく中国が鮮明に対比される現実だ。
双龍車まで外国資本に売却されれば、国内5大完成車メーカーのうち3社が外資系の会社になる。三星(サムスン)電子、国民(グクミン)銀行、POSCO、現代(ヒョンデ)車などの外国人の保有株式は50%を上回る。韓国経済の動脈にあたる都市銀行の場合は、全体株式の37%を外国人が保有している。外国資本による食い込みが危険水位に達しているにもかかわらず、政府がかえってこれを促す現状だから「大韓民国株式会社の経営主権」が生き残れるかどうか心配だ。
韓国経済に対する外資影響力の拡大は、ある程度避けられなかった面がある。しかし、問題は入って来る外資が質的に不健全で量的に度が過ぎていることだ。私たちに本当に必要な外資は新しい働き口を創造し、先進技術と経営技法を持ち込んで、協力と競争を通じて国内企業の発展を刺激する資本だ。それにもかかわらず、こうした健全な投資は減少し、既存の韓国企業を買い入れる買収合併(M&A)資本か、いつ敵対的にうって変わるか分からない株式投資資本が幅を利かせている。
外国人によって主要企業と銀行の意思決定が牛耳られる国は、完全な主権国家だとは言えない。資本に国境はないかも知れないが、国籍はある。通貨危機の際、引き潮のように流れ出した外貨がその証拠である。政府閣僚の口から、「もう資本の国籍を気にする段階ではない」というふうな発言が出されては困る。
出資総額規制や銀行株所有制限など、国内資本の手足を縛り付けている逆差別を無くさなければならない。そうでなければ、韓国は引き続き外国M&A資本の独り舞台になるだろう。韓国資本には韓国の地で、外国資本と公正に競争する資格もないというのか。