「絶対強者も絶対弱者もない」
プロ野球の専門家らは来年シーズンをこう予想している。それほど今年とは違う史上類を見ない地殻変動が起きるという診断だ。
今冬、自由契約選手(FA)の移籍と大型トレード、外国人選手の迎え入れがほぼ終った中、もっとも目を引くチームは起亜(キア)とロッテ。起亜は三星(サムスン)で馬海泳(マ・ヘヨン)、斗山(トゥサン)で沈哉学(シム・ジェハク)を迎え入れたことで、アキレス腱だった攻撃力が強化されて投打のバランスを合わせた。馬海泳はチョン・ソンホと朴ジェホンと共にクリーンアップトリオを率いて、沈哉学はチャン・ソンホだけだった左打者ラインの二頭馬車として活躍する。陳弼重(チン・ピルジュン)をLGに渡したが、アンダーハンドスローの有望株であるシン・ヨンウンがいるため、抑えの空白を埋めるのは問題がなさそうだ。
3年連続最下位だったロッテは、FA投打の最大魚である鄭守根(チョン・スグン)と李サンモクを獲得したことでトップ打者とエースをいっぺんに解決した。これに、このほど規制がなくなって入団交渉が進められている巨砲のペリックス・ホセが加われば、鬼に金棒だ。しかし、京仁(キョンイン)放送のク・ギョンベク解説委員は、「ロッテが4強級の戦力にアップグレードされたのは事実だが、すぐに優勝を狙えるほどの戦力にはならないだろう」と予想した。
今年の優勝チーム、現代(ヒョンデ)はリリーフのクォン・ジュンホンをトレード・カードとして活用し、強打者のソン・ジマンを韓火(ハンファ)から連れてきた。李スンヨン、チョン・ソンフンがいるが、シム・ジョンスのほかに長打力の面で期待に及ばなかった現代であるため、昨年38本のホームランを放ったソン・ジマンの合流が嬉しくてしょうがない。
一方、三星は李承鎏(イ・スンヨプ)と馬海泳の空白が余りにも大きく見える。河日成(ハ・イルソン)KBS解説委員は、「これから三星は長打に頼っていた野球からチームの打撃と機動力を中心にした組織野球への変身を試みなければならない」と指摘した。2人の外国人選手のうちまだ1人も決めていない三星がどんな大物を迎え入れるかも関心事。
河委員が来年優勝を争う伏兵としてLGを挙げたが目を引く。陳弼重が加わったほかはこれといった戦力補強はないが、李ビョンギュ、金サンヒョンが負傷から回復し、史上初の現役フルタイムメージャーリーガーであるアル・マーティンが合流することで、昔の戦力を回復することに成功したというのが河委員の評価。
反面、今年の準優勝チームであるSKと韓火、斗山は専門家から高い点数を受けられなかった。厚い選手層とヤングパワーを誇るSKは来年も4強入りが可能に見えるが、目立った戦力変化はなかった。韓火と斗山はそれぞれFAの李サンモクと鄭守根を放出しただけで、即戦力でない補償選手をもらうことに止まって、来年も歯を食いしばって耐えなければならない。
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