イラン南東部ケルマン州で26日未明に強い地震が発生し、人口8万人余りの小都市バムの家屋6割が全半壊し、深刻な人命被害が出た。今回の地震は、98年以降この地域で発生した中で最も強い地震だ。
同州のカリミ知事は、「同日午前5時28分(現地時間)、マグニチュード(M)6.3の強い地震が発生し、小都市であるバムの家屋の多くが崩壊し、眠っていた住民ががれきの下敷きになった」と、イランラジオ放送を通じて伝えた。
同地域は、過去隊商貿易の中心地であり、歴史遺跡の被害も深刻なようだ。カリミ州知事はまた、バム周辺の3つの町からも被害状況が伝えられていると述べた。
イラン放送は、今回の地震の震源がバムと隣接した所であり、現地で輸血用の血液供給を緊急要請していることから、死傷者の規模が大きいと見通した。
電話が通じない状態であり、政府は、携帯電話や衛星電話で現地と連絡を取っているが、被害の集計が十分に行われていない。
これに先立ち米国の地質研究所は、M6.7の強震がイラン南東部地域で発生したと発表した。フランスのストラスブル研究所も、地震発生事実を確認した。
イランでは昨年6月にM6.3の地震が北部で発生して、229人が死亡し1000人以上の負傷者が出た。また、90年にはM7.7の地震が北西地域で発生し、約3万5000人が死亡した。