Go to contents

[オピニオン]不法な録音と合法な録音

Posted January. 18, 2004 23:50,   

한국어

法廷では録音テープが重要な証拠として活用される。民事、刑事、家事訴訟で録音テープの内容を記録した文書を書面証拠として提出する。相手と争う場合、録音テープ検証手続きを通じて判事と裁判の当事者が一緒に聞いてみて、文書の内容が録音テープと同一なのか、録音テープの音声が対話当事者のものなのかを確認することになる。このような手続きを通じて録音内容が証明されれば、テープを起した文書は事実と情況に対する証拠としての価値を持つことになる。

◆秘密録音が不法だと思っている人もいるはずだ。録音する人が対話当事者なら、自分と相手の対話内容を同意なしで秘密録音することが可能だ。対話当事者が録音する場合は、電話通話を録音することも、直接会って交わした対話を録音することも許容される。これは盗聴とは違う。盗聴は電話機や自動車に密かに録音装置を設置して、他人と他人の対話内容を録音すること、建物に録音装置を設置したり、遠隔装置で他人の対話内容を録音することなどだ。このような盗聴行為は通信秘密保護法などによって処罰される。

◆録音は家事訴訟でより多く活用される。夫婦間で起きたことは、それを目撃した第3者がいない場合が多い。それに、一応訴訟が提起されれば事実関係を否認するだけでなく、むしろ虚偽事実をでっち上げて相手を不利にしようとする傾向もある。したがって離婚を決心したなら、事前に証拠を確保しておくことが重要なのだが、この時、録音が最も有効な方法となる。真実報道の責任がある記者たちも、取材源との通話内容を録音しておいた方が良い。取材源が後で内容を否認した場合、報道の自由が侵害されるかも知れないためだ。弁護士もたまに顧客を保護するための手段として録音をする。

◆法家思想家である韓非子は、人間を動かす動機は愛情も義理も認定でもない「利益」と言い切り、「人を信じてはいけない」と主張した。近頃、韓国の法界と政界などをみるとき、現実で通じる理論に思える。世の中に嘘が溢れているが、これを選り分けて処罰する装置が足りないため、秘密録音が真実を選り分ける重要な証拠になったようだ。無条件の利益を貪らずに人を深く信頼しなさいと言い、性善説と王道政治を唱えた孟子が悲しむような現実だ。

鞖今子(ベ・グムジャ)客員論説委員(弁護士)baena@chol.com