早ければ08年から労働者の定年が60歳以上に延長され、公務員はもちろん一般企業にも事実上強制的に適用される見通しとなった。
政府は、労働者の定年延長に向けて、年内に「雇用平等促進法」(仮称)を作る方針を固めた。大統領秘書室の「高齢社会対策および社会統合企画団」と労働部、保健福祉部(福祉部)、財政経済部(財経部)などは19日、こうした内容を盛り込んだ「高齢社会の総合策」を発表した。
対策によると、政府は、定年延長の方法として、日本やシンガポールのように特定の年齢を明示しないものの、雇用平等促進法の適用対象を18〜60歳に定めて、60歳以前に高齢を理由に退職させられることがないようにする方針だ。
また法案に、労働者の採用・解雇時の年齢制限をなくす内容を盛り込むなど08年まで3段階にわたって、事実上の定年を60歳以上に増やす計画だ。来年から07年までは、雇用保険料の支援と税金減免の恩恵措置などを通じて、企業の雇用延長を積極的に誘導し、08年には、定年年齢を60歳以上に定めた後、これを段階的に高める計画だ。
これを守らない職場に対しては、罰金を科すいっぽう、撤退者への行政救済を強化する案も検討している。労働部の調査によると、02年、常時労働者300人以上の事業場では、平均定年が56.6歳で、定年が60歳以上に延長された場合、波及効果が少なくないものとみられる。
政府は、また、定年延長にともなう企業の賃金負担を減らすため、労働者と会社側が定年延長を条件に賃金削減に合意する「定年延長型の賃金調整オプション制」を導入することを決めた。これを採択する企業には、賃金の一部が支援される。
労働部当局者は「韓国社会では、世界で最も速いスピードで高齢化が進みつつあるが、早期退職の増加で、経済成長の鈍化など副作用が深刻化しているとの判断によって、取られた措置」と説明した。
これについて、労働界は、雇用の保障よりは賃金削減の口実になり得るとの点から、経営者側は、企業の負担が大きくなり、自主権が侵害されるとの点から、それぞれ反対の立場を示している。
李浩甲 gdt@donga.com