北朝鮮が収容所の政治犯や女性、子供に生物化学兵器の生体実験を行ったという衝撃的な内容のドキュメンタリーを英国BBC放送が1日午後9時(現地時間)に放送する。
BBCの『この世界(This world)』シリーズで放映される「悪への接近(Access to Evil)」は、北朝鮮が収容所にガス室を設置して生物化学兵器の実験を行い、政治犯の家族などを殺害したという事実を暴露すると、BBC電子版が1日付で報じた。
BBCは、第1級シークレットに分類された北朝鮮政府の公式文書や、ロシアと国境を接した北朝鮮北東部の「第22収容所」で93年に所長を務めた権ヒョク(仮名)氏の証言などを基にドキュメンタリーを製作した。権氏は99年、中国北京駐在の北朝鮮大使館情報要員の時、韓国に亡命した人物。
BBCは、権氏がガス室の様子を絵に描いて、次のように証言したと明らかにした。
「一家族を一緒に実験するのが慣例だった。ある家族のガス室実験の光景を見たことがある。親が、嘔吐して死ぬ最後の瞬間まで、息子と娘を助けるために子供達の口に自分の口から息を吹き込んだ。化学者は透明なガラスを通して全過程を見ていた。」
権氏は、「私は当時、被験者をすべて国の敵だと考えたので、死んでいく子供達に一抹の情けも感じなかった」と話し、「看守たちは、初めの3年間は拷問を楽しむ」とつけ加えた。
北朝鮮収容所にいた李ソンオクという女性も、このドキュメンタリーに出て、「ある看守が私に濡れたキャベツを与えて『健康な女性50人を選んで渡せ』と言った」とし「キャベツを食べた50人は皆苦痛で悲鳴をあげ、血を吐いた後、20分以内に死んだ」と証言した。
ドキュメンタリーでは、「政治犯を生体実験や生物化学兵器生産のために使っている」という内容の北朝鮮政府の文書も公開する予定だ。
ドキュメンタリーに登場するBBCの記者は、「02年2月に、化学兵器製造用液体ガスの実験のために囚人の移送を命じる内容の北朝鮮文書を見た」と明らかにした。
朴濟均 phark@donga.com