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「身障者助ける弁護士が夢」ソウル大合格の視覚障害者、崔ミンシクさん

「身障者助ける弁護士が夢」ソウル大合格の視覚障害者、崔ミンシクさん

Posted February. 03, 2004 23:11,   

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重傷視覚障害者の崔(チェ)ミンシクさん(22)が、22日発表されたソウル大の2004学年度定時募集・特別選考枠で法学部に合格した。法学部はもちろん、同大としても視覚障害者が合格したのは初めてのこと。

3日午後、受話器の向こうから聞こえてくる彼の声は、明るく力強かった。彼の目が不自由になったのは、小学校3年の終わりごろ。5歳の時、緑内障を患ってから徐々に視力を失いはじめ、11歳になると何も見えなくなった。

「あの頃の辛さというものは、言葉では言い表せないくらいでしたね。いきなり障害を抱えるようになった人のほとんどが経験した苦痛だったろうと思います。でも、どうせ悩み苦しんだところでどうしようもないので、自分でできることに打ち込もうと決心したんです」

早くから盲学校に通い体の不自由な人と接していた崔さんは、中学校3年の時、体の不自由な人たちが社会進出を図る際に経験する痛みを少しでも和らげるためにも、弁護士になろうと決めた。

ところが、勉強は容易ではなかった。昼間は、全盲のための実業教育を受けなければならなかったため、夜になってようやく大学入試の準備に打ち込むことができた。点字でできた教材も足りないものが多く、一字一字指先で読むため、普通の人の倍以上の時間がかかった。

「コンピューターで教材をスキャ二ングして音声で聴いたりあるいは録音して聴いたり…。あらゆる方法を尽くしました。会社から帰った父が、毎日本を読んでくれもしました」。

彼は「何もかも暗算で解決しなければならず、立体の図形は点字で表すのが困難なため、数学が一番難しかった」と振り返る。

「予想より修学能力試験(日本の共通一次試験にあたる)の点数が低かったので(変換標準点数367点)気苦労が多かったですね。その間、辛いこともありましたが、合格して振り返りますと、目標に向って邁進する時が一番幸せだったような気がします」

崔さんにとって一番の支えとなったのは、心労を隠して息子を育ててきた両親だった。中小企業に勤める父、崔ビョンヨプ氏(54)と母、朴トンヒ氏(50)は、刻苦の思いで息子を育てた。母親の朴氏は「幸い、息子が明るい子に育ってくれたことに感謝したい」としながら、崔さんを抱きしめた。

しかし、弁護士になる夢を叶えるまで、崔さんの前には、幾つもの険しい山が立ちはだかっている。ソウル大学には、からだの不自由な人のための施設が不足しており、司法試験に合格するためには、人一倍の努力が必要なのだ。

崔さんは「高校の時も、往復2時間の学校までひとりで通いながら、自立した生活ができるように努力してきた」としながら「大学生活を送りながら、未来に備えて引き続き努力したい」と、自信たっぷりに語った。

鄭雲燦(チョン・ウンチャン)ソウル大総長は「大学当局としても、学業に差し支えのないよう、配慮する計画」だと話している。

さらに、法科部の安京煥(アン・ギョンファン)学長は「身障者への配慮という意味ではなく、修学能力のある学生については、法律で定めているとおり、共に勉強する権利があることから、あらゆる困難な条件にもかかわらず選抜した」と語った。



podragon@donga.com