ハンナラ党が危機を乗り越えて生まれ変わることのできる道が明確になった。新しい顔で新しい枠組みを整えることだ。同党の崔秉烈(チェ・ビョンヨル)代表が公認審査委員会の不出馬勧告を受け入れたとはいえ、その程度で党が危機から脱せられると信じている人はいない。初当選、再選議員20名はすでに崔代表の退陣を求めている。一部中堅議員までこの動きに加勢している。こうなったら、これ以上先送りできるような問題ではない。
危機の本質を直視しなければならない。一言で「崔代表ではだめだ」という認識の共有である。嶺南(ヨンナム)地域のある中堅議員は、「多選に5・6共出身の崔代表と、すでに不出馬宣言をした私たちと、どう違うのか」と反問する。代表が所属党の内部でさえ古い時代の人物とみなされている状況で、総選挙はもちろん党の未来について誰が確信できるだろうか。
昨秋まででも40%台だった党の支持卒が20%台以下に落ち込んだことについても、誰かが責任を負わなければならない。党の支持率より崔代表個人の支持率がさらに低い理由についても当事者が説明しなければならない。李会昌(イ・フェチャン)前総裁のせいにして解決できる問題ではない。
総選挙不出馬勧告も事実上「公認排除」というのが大方の見方だ。公認から「排除」された代表が総選挙のために実質的にできることはない。全国を回りながら支持を訴えたところで何の説得力があるだろうか。党もまた、今月末に発足する選挙対策委の方へ中心が移るようになる。新しい顔を選対委員長に座らせて党を一新し、崔代表は一歩引き下がるチャンスであるわけだ。
崔代表は昨日、大邱(テグ)市議員らとの昼食会で、「ハンナラ党以外に安定的な土台の上でこの国をリードしていく党はないから、私たちが党をまとめれば、他の方法がないため、ハンナラ党を支持してくれるだろう」と話したという。実に安易な状況認識と言わざるを得ない。
前の大統領選挙の時に投票した有権者の半分に近い46.59%が李会昌ハンナラ党候補を支持したのは事実だ。彼らを含めて合理的で健全な考え方を持つ保守層は現在、代案の不在で喪失感に悩まされているという判断も間違いではない。しかし、彼らが再びハンナラ党を支持できるようになるためには、党が本当に変わらなければならない。もう崔代表がその答えを出すべきである。それが支持勢力に対する最小限の礼儀であるはずだ。