忠清北道沃川郡校洞里（チュンチョンブクト・オクチョングン・キョドンリ）所在の陸英修（ユク・ヨンス）女史の生家が復元される。朴正熙（パク・チョンヒ）元大統領夫人だった陸女史は１９７４年の光復節記念式場でムン・セクァンの銃弾に撃たれて亡くなった。当時、国民はあまりのことに手に汗して事の顛末を見守っていた。客席から発射された２発の銃声と警護室長があわてて応射するシーンがテレビを通じて全国に放映されたためだ。その当時、維新に反対していた人々も陸女史の死を悼み、涙を流した。
◆朴正熙元大統領に対する評価は極端に分かれる。反面、陸女史に対してはたいてい好意的だ。陸女史はたびたび夫の政治的な寡欲を批判し、モラル・ハザード（倫理欠如）を監視したりした。だからだろうか。「独裁者の夫人」というよりは貧しく生活に困っている人々を慰める「国母」のイメージを持っているというのが一般的な評価だ。もちろん、粛清の嵐に荒んでいた独裁下で心温かく親切だった陸女史が対照的に見られた面もある。朴大統領が最も恐れた内部の野党であり、社会事業に並ならない情熱を持っていた静かな縁の下の力持ちでもあった。
◆米国の場合、ファースト・レディーは主に二つの類型に別れる。クリントン前大統領夫人のヒラリーが「オープンな活動型」とすれば、ブッシュ大統領夫人のローラーは「密着助力型」に挙げられる。ヒラリーは１９９３年、医療改革を主導してホワイトハウス内でもことあるたびに権力を行使し、現在はニューヨーク州の上院議員として活躍している。反面、密着助力型は最高指導者の倫理性と品位を守るのに力量を集中させる。夫の浮気を監視したり、健康と夫の身の回りを世話する伝統的な主婦の役割だ。米国人もこんな姿が望ましく写ったのか、最近の人気度調査でブッシュ夫人が６％と、女性の中で３位を示した。
◆現政権での大統領夫人の役割とは何だろうか。ここ１年を振り返ってみると権良淑（クォン・ヤンスク）大統領夫人の動きにこれといっためぼしい活動は見られなかった。盧武鉉（ノ・ムヒョン）大統領がなにせゴシップメーカーだったこともあるが、大統領夫人の活動が記事化されたことは手に数えるほど。「密着内助型」と言えようか。ところで、昨年末に二回ほど掲載された短い記事から推察して、権女史は児童問題に関心が多いようだ。この機会に児童福祉や安全問題に献身する活動家型大統領夫人に変身されてみてはいかがだろうか。
宋虎根（ソン・ホグン）客員論説委員（ソウル大学教授）hknsong@snu.ac.kr
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