サッカーの欧州チャンピオンズリーグ(CL)のレアル・マドリード(スペイン)とバイエルン・ミュンヘン(独)との決勝トーナメントが25日、ドイツ・ミュンヘンのオリンピックスタジアムで開かれた。
後半38分、マドリードのロベルト・カルロス(31)にFKのチャンスが与えられた。ミュンヘンのGKは2002W杯でヤシン賞を受賞した「守護神」オリバー・カーン(35)。
後ろに下がったカルロスは走り込んでから左足でシュートを放ち、DFの壁を越えたボールは風の音とともに35mを飛んでいった。そして、ボールはカーンの懐からこぼれ、ゴールネットを割った。1−0でリードしていたミュンヘンが目前の勝利を逃した場面だった。試合の結果は1−1の引き分け。
このFKは現役最高のGKとされるカーンなら、十分にセーブできるもの。あっけなくセーブミスをした理由は、まさにキッカーが全世界のGKを恐怖に追い込んでいるカルロスだったからだ。彼には「FKの魔術師」というニックネームが付けられている。
▲UFOシュート〓97年6月4日、フランス・リヨンで行われたブラジル対フランス代表チームの親善試合。ブラジルの代表だったカルロスは「UFOシュート」と命名された絶妙なFKシュートを決める。ペナルティーエリアの右側から蹴ったボールがDFの壁の右側を完全に迂回し、ゴールの右端に入った。ボールの曲がった角度があまりにも鋭く、サッカー専門家らは「角度のない状況で、とても信じられないシュートだった」と舌を巻いた。それで、つけられた名前が「UFOシュート」。
▲時速170kmのキャノンシュート〓カルロスのシュートはスピードと回転力で世界最高と言われている。彼のシュートがどれほど速いかは国内選手と比較すれば十分理解できる。
98年から始まったプロサッカー・オールスター戦のキャノンシュートコンテスト大会で、最高のボールスピードは2002年、李基衡(イ・ギヒョン、成南)が記録した時速138km。カルロスのシュートはこれより32kmも速い時速170kmに及んでいる。「UFOシュート」は150kmとなっている。
ボールのスピードが120km以上となると、GKがボールが飛んで来たのを見て動き出したのでは、すでに手遅れだという。キッカーがボールを蹴る瞬間、方向を予想して前もって動きださなければならない。つまり、カルロスのシュートがゴールに向かって正確に飛んだ場合、これをセーブすることはほとんど不可能だということになる。
▲最高のシュートの秘訣〓カルロスの体格は1m68,69kg。この小柄な体からどうやって驚くべきシュートが出てくるのだろうか。彼は「何よりも重要なことはたゆまぬ練習だ」と言っている。
その言葉どおり、カルロスはチームの練習が終わった後、平均50本を越える個人シュートの練習をする。そのおかげで、91年にプロ選手になり、ブラジルのパメイラスとイタリアのインターミランを経て96年から「超豪華軍団」レアル・マドリードに入り、主力選手から一度も外れたことがない。92年からブラジルの代表チームでも専門キッカーとして活躍している。彼の太ももの太さは58.5cm。
砂浜で素足でボールを蹴る訓練を繰り返したのも、キャノンシュートの秘訣。サッカー専門家は砂の上で素足でボールを蹴ると、地面でした場合より足の筋肉が強くなるのはもちろん、足のいろいろなところを使い、多様な角度で蹴ることができると言っている。
▲韓国サッカーの専門キッカーは?〓「韓国のカルロス」は誰だろうか。日本・大分トリニータのファン・ボグァン首席コーチは、90年のイタリアW杯のスペイン戦で大砲のようなFKを決め、「キャノンシュート」というニックネームが付けられた。当時のシュートのスピードは114km。2002年の日韓W杯では李乙容(イ・ウルヨン、安養)がトルコとの3、4位戦で絶妙なFKを決めた。現代表チームでは柳相鐵(リュ・サンチョル、横浜)と李天秀(イ・チョンス、レアル・ソシエダ−ド)が、オリンピック代表チームでは崔成国(チェ・ソングク、蔚山)が専門キッカー。
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