結局、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の「10分の1」発言が禍の元だ。検察は、一昨年の大統領選当時、ハンナラ党と盧武鉉候補陣営が全国の地区党と市・道支部に渡した不法選挙資金が「410億ウォン対42億5000万ウォン」だと明らかにした。これまで明らかにされた不法選挙資金の全体規模である「817億ウォン対98億ウォン」と似た水準だ。収入・支出とも盧大統領が提示した基準に近づいている。
だから「数字合わせ」ではないかという指摘も出るのだ。検察はこうした指摘に強く反発している。もちろん、ないことを無理やりに作り上げることはできないだろう。しかし検察の主張をそのまま信じる国民は少ないだろう。4大グループが双方に提供した不法選挙資金が「722億ウォン対0ウォン」という、これまでの捜査結果だけを見てもそうだ。だれが見ても説得力が薄い。
今の検察捜査は、ハンナラ党だけを集中的に調べて、世論の非難が起きるや、徐々に盧陣営に対する捜査結果も出している。そうしながらも巧みに「10分の1」に合わせているように映る。このままでは検察がいかなる捜査結果を出しても信用されないのは明白だ。もし最終捜査結果まで同基準と類似していれば、大統領と検察には、もう一つの負担となるだろう。
昨日、検察に召喚された三星(サムスン)グループ構造調整本部長の供述に関心が集まっているのもそのためだ。三星はもちろん、すべての企業が、ハンナラ党だけではなく盧陣営に渡した不法資金についても、ありのままに打ち明けなければならない。それが不法資金問題に巻き込まれている各企業が、市場の信頼を取り戻す道だ。
何より大事なのは、検察が大統領の「10分の1」発言にこれ以上縛られてはならない。そうでなければいつまでも尾を引くことになるだろう。