盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が1日行った「3.1独立運動」記念式典での演説は「思い切った」警告性発言と見受けられる。
まず、発言の調子が1995年11月、金泳三(キム・ヨンサム)元大統領が口にした「日本の悪い癖」発言以来、もっとも過激なものといえる。昨年6月の日本入りの際に行った衆議院演説と比較しても盧大統領は「有事法制」の成立問題について「皆さんと各位の指導者に『勇気ある指導力』を心から求める」というやんわりとした表現を使った。昨年の「3.1独立運動」と「8.15独立記念日」記念式典の演説では、日本について一言も触れなかった。
盧大統領はまた、過去史や独島(トクド・日本名:竹島)問題と関連して、このほど相次いでいる日本政治指導者たちの妄言についても直接的な対応を避けてきた。
そのような盧大統領が同日、参謀陣が用意した原稿に自ら手入れしてまで、表現を最大限に厳しいものにした背景には、政治・外交的な得失に関して一定の判断があったものとみられる。
外交的にみれば、最近「独島切手」の発行問題をめぐるごたごたがあった上、先月27日に小泉純一郎日本首相が第2次世界大戦の戦犯が合祀されている靖国神社を毎年参拝する意向を明確にしたことから、「日本の右翼保守化の動きに一度ブレーキをかけるべきだ」と判断した模様だ。
とくに韓国政府としては、日本文化を開放するなどの誠意を見せたが、日本側ではかえって右傾化の動きに弾みがつくなど、それ相応の措置がなかったという不満があった。
これとともに、選挙を控えている両国国内で作用と反作用が繰り返されながら事態がエスカレートする現象を生んでいるのではないかという分析も説得力を得ている。
ある日本専門家は「盧大統領の発言は、一度は指摘すべきことを批判したものだ。日本の政治指導者たちが、7月に迫った参議院選挙を控えて妄言を次々と吐いているところに、韓国も4月の総選挙を控えて国内世論を意識した政治的発言が相次ぐ場合、両国関係はギクシャクしかねない」と憂慮した。
盧大統領の同日の発言直後、外交通商部(外交部)は初めて「小泉首相を念頭に置いた発言ではないというのが、外交部の公式立場だ」と語ったのも、そのような状況をしたからだという。
外交部は、その後この立場表明を取り消したが、盧大統領は同日の演説に関して外交部と国家安全保障会議(NSC)と公式の事前協議を経ていない。
金正勳 金昇鍊 jnghn@donga.com srkim@donga.com