KBSテレビ局のドキュメンタリー「絶滅種」。
わずか100年前まで、ソウルの4大門(東西南北に設けられたソウルへの入り口)の中にまで出没していた虎は、みんなどこへ行ってしまったのだろうか。韓半島で200万年を生き延びたオオカミが、絶滅まで50年もかからなかったのはなぜだろうか。熱帯雨林を除いた、ほぼ全ての大陸で生息するといわれるアカギツネ(red fox)が、唯一韓国から消えてしまったのはなぜだろうか。
KBS1が、3日夜10時から3夜連続で放送する3部作の特集ドキュメンタリー「絶滅種」は、これに対する解答を提示してくれる。
制作スタッフが、朝鮮総督府の統計年譜と、当時マスコミに報道された公式発表資料を集めて推算した結果、1915〜1943年まで公式に捕獲された虎、ヒョウ、オオカミの数は、およそ4000頭程度。実際は、それ以上の数が生息していたことになる。
しかし、虎は1924年、江原道横城(カンウォンド・フェンソン)で捕獲された写真を最後に、姿を消した。ヒョウは、1962年伽倻(カヤ)山で捕獲された後、動物園で死んでいったのが最後だった。1968年、忠清北道陰城(チュンチョンブクト・ウムソン)で最後のオオカミが捕らえられて以来、野生のオオカミも、韓国から姿を消した。
制作スタッフによると、虎は、害獣の駆除と、日帝植民地時代、日本軍の士気を高めるための生け贄とする目的で乱獲された。オオカミは、1950年代の末、ネズミ捕り運動が全国的に展開され、毒薬を飲んだネズミを食べる「2次中毒」によって、致命打を受けた。
キツネの場合、1978年、密猟で捕獲された後、剥製にされた智異山(チリサン)キツネが、最後の記録として残っている。キツネの絶滅の原因としては、1920〜30年代にかけて毛皮の流行による乱獲と、ネズミ捕り用の毒薬による2次感染などが挙げられる。ソ・ヨンハPDは「キツネは韓半島から姿を消しているが、同じような生態をもつ種が生息する、モンゴルのヒシゴンドル草原を舞台に1年間撮影した第2部、キツネの生涯で確認できる」と語った。
制作スタッフは、絶滅した動物とは別に、現在国内で生息している山羊も、絶滅の危機に瀕していると警告する。排泄物を通じて遺伝子を調べた結果、他国の山羊と違って韓国の山羊は、遺伝子の差が大きくないことが分かった。これは、山羊が最大の生息地である雪岳山(ソラクサン)に孤立して暮らしながら、近親交配による繁殖をしてきたためと考えられている。
李珍暎 ecolee@donga.com