「イラクへ向かう韓国軍は、戦闘兵ではなく平和維持軍とのことをよく知っています。韓国の人々がサッカーボールを送ってくれたことを知れば、イラクの国民は本当に喜ぶと思います。イラク国民にかわって感謝の気持ちを伝えたいです」。
01年、祖国のイラクから韓国へ渡り、仁川栗島(インチョン・ユルド)の中古自動車団地で自動車仲介業をしているハントゥシュ・マジード(27)氏は、東亜(ドンア)日報の「希望のサッカーボールを送るキャンペーン」について、不慣れな韓国語で感謝の気持ちを示した。
「イラクの人々は、サッカーが非常に好きです。とくに、子どもらが喜ぶでしょう」。2002年韓日ワールドカップ(W杯)サッカー大会の当時、ソウル市庁前の広場で韓国人らとともに、熱い応援戦も繰り広げたというマジード氏。
同氏は「韓国が派兵することを決めたとき、最初は残念な気持ちもあったが、昨年、韓国がナシリヤを助けるのをみて、安心した」と話した。ナシリヤは、イラク南部地域にある小都市で、韓国の徐煕・済馬(ソヒ・チェマ)部隊が駐留した所。
韓国軍は、そこで病院を建設したりイラク住民らを治療するなどのボランティア活動で、地元の人々から賛辞を受けた。マジード氏の同僚、ハビブ・アルラスリ氏(33)は「サッカーができる空間が多くないが、レンガを積んでゴールを作り、サッカーをするほど、サッカーはイラクで最高の人気スポーツだ」とし「韓国の人々が送るサッカーボールで、イラクの子どもらがサッカーを楽しんでほしい」と話した。
妻と2人の子女など家族をナシリヤに残してきた同氏は「韓国は、米国とは違ってほしい」とし「米国のように、イラクに銃を射つのではなく、友人のような存在になってほしい」と付け加えた。
それらとともに自動車の仲介業をしているアリ・ムサウィー(24)氏も「サッカーボールを送れば、バグダッドにいる甥がとても喜ぶだろう」とし「派兵のため、イラク国民の韓国についてのイメージが悪くなったが、サッカーボールを送る行事で、再び良くなるだろう」と、期待感を示した。
韓国外国語大・アラビア語科教授として在職中のイラク人、ムナ・ケリー教授の息子のアリ(21、韓国名:パク・ミンウ)は「イラクは、現在、傷付けられた体も同然で、キルクークはさらにひどい状況にある」とし「傷付けられたイラクの人々の心を癒すことが必要とされる」と話した。
兪載東 jarrett@donga.com