Go to contents

[オピニオン]マーサーの嘘

Posted March. 10, 2004 22:56,   

한국어

米国の「完璧な女性」と謳われたマーサー・スチュワート(62)は惨敗を避けることができなかった。事件の対応過程を一つ一つ見守った専門家は「重要な節目のたびに間違った判断を下した」と結論を出した。貧しいポーランド系移民家族の6兄弟の2番目の娘に生まれ、一時10億ドル台の資産を築いた女性。「もう少し」と欲を出したあまりに監獄に行くはめになりそうだ。主なテレビ放送局ではマーサーが出演する番組を廃止した。彼女の名が入る新聞のコラムもなくなった。

◆問題の取引はイムクロンの3982株の売却。この会社の大株主が株を売るという情報を聞き、株価暴落の直前に急いで売却した。避けられた損失はわずか4万5000ドル。反面3000万株、61%を保有している自身の会社「マーサー・スチュワート・オムニメディア」の株価はこの事件の影響で約2年ぶりに半価に暴落した。大変な損失である。評決があった8日だけでも0.96ドル下落し、2880万ドルの評価損失を記録した。

◆女性8人、男性4人の陪審員は、「スチュワート氏には同情するが、私たちは正しい決定をした」と語った。緻密に家事をこなしていた「完璧な女性」がどうかすると「よく覚えていない」と答えたことに、陪審員はマーサーの真実性に疑問を感じた。「スチュワート氏が情報を教えてくれた朝憲会社の職員をほめた」とか、「取り調べを受けることになると電話記録を消そうとした」などの証言は陪審員の決心を容易にした。「完璧な女性」に下された今回の評決は「普通の人々の勝利」とも呼ばれる。

◆スチュワート氏の対応戦略は三つだった。最初は取り調べ拒否と嘘の陳述。「スチュワート氏らしからぬ戦略」という評が出された。昨年起訴される直前に危機管理専門家のアドバイスに従って有力テレビのプライム・タイム番組に出演し、特有の微笑みを湛えて人生観を語る広報戦略を使った。土壇場の裁判過程で、マーサーの弁護人は成功した女性に対する社会の嫉視を非難し、「スチュワートさんはそんなことをするにはあまりにもスマートだ」というようなイメージ戦略を展開した。だが、全て失敗した。大統領選挙の不法資金などで疑惑を受けている国内政治家にはまたとない、よい反面教師である。

洪權熹(ホン・クォンヒ)ニューヨーク特派員 konihong@donga.com