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[オピニオン]韓国政治とクーデター

Posted March. 14, 2004 23:15,   

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大統領弾劾案が国会で可決された。これを受けて、反盧側は議会民主主義の勝利だと喜び、親盧側は「議会クーデター」だと非難している。韓国政治でクーデターはそれほど耳慣れない言葉ではないが、「議会クーデター」という言葉は馴染みがない。

◆過去約50年の間、韓国には4度のクーデターがあった。代表的なのは、61年5月16日の朴正熙(パク・チョンヒ)少将が起こした軍事クーデターだ。彼は3600人程度の兵力を動員して、無血で政権を奪取した。次は全斗煥(チョン・ドゥファン)少将を含む新軍部が敢行した粛軍クーデターだ。これは79年12月12日の軍部掌握で始まり、翌年5月17日に政権を掌握したことで終わった長距離マラソン型クーデターだった。

◆ところで、韓国にクーデターが他にも2度あったという事実を知る人は多くないようだ。最初は、李承晩(イ・スンマン)元大統領が権力延長のために起こした「釜山(プサン)政治波動」である。間接選挙制では再任が難しいと判断した李元大統領は、戒厳令を宣布した状態で国会に脅威を与え、直接選挙制改憲を成し遂げて再任が保証された。これは52年5月から7月まで2ヵ月程かかった短縮マラソン型クーデターだった。もう一つは、72年10月17日に朴正熙元大統領が断行した「維新クーデター」だ。直接選挙制では再任が容易ではないと判断した朴元大統領は、戒厳令を宣布して議会を解散させ、間接選挙制を骨子とする改憲を通じて権力を延長させた。

◆前者2つは軍部が政権掌握のために政府を転覆させた反政府クーデターだった。一方、後者2つは大統領自らが政権延長のために軍を動因して議会に脅威を与えた親衛クーデターだ。今回の弾劾案可決は、「与小野大」の分割政府の下でこの1年間衝突してきた議会と大統領が、遂に議会による大統領弾劾という事態にまで広がったものである。大統領と議会の衝突という点で、先の2度の親衛クーデターと脈を同じにするが、議会が大統領を攻撃したケースという点で、親衛クーデターとは性格が大いに異なる。韓国はつい最近まで帝王的大統領制の弊害が議論されてきた国だったが、いつの間にか議会が大統領を弾劾する国家になった。これは議会の勝利なのか、クーデターの結末はどうなるのだろうか。

金一栄(キム・イルヨン)客員論説委員(成均館大学教授)iykim@skku.edu