フランスの自動車会社ルノーが、自社のスポーツユーティリティ車両(SUV)を、ルノー三星(サムスン)自動車で一貫生産することにし、輸出に力を入れることにした。
これにより、ルノー三星は雇用増大のほか、ルノーの生産拠点としての成長基盤の整備に取りかかるものとみられる。
ルノー三星のジェロム・ストール社長は22日、ソウル鐘路区(チョンノグ)東崇洞(ドンスンドン)所在のセッテ博物館で記者会見を開き「釜山(ブサン)工場が、ルノーの世界中のほかの工場と比べて、生産性や効率性などで競争力を持っているからだ」として、こうした方針を明らかにした。
ルノーグループは、持ち分を共有している日本の日産と共同で、初のSUV開発に取り組んでおり、2005年以降の商用化を目指している。ルノー三星は、生産だけでなく、一部デザインにも参画することになる。
ストール社長は「SUVは韓国の内需だけでなく、輸出に重点が置かれることになるだろう」として「ルノー日産のグローバルな流通網を活かし、欧州、中南米など、世界展開を進める予定」と語った。
釜山工場の年間生産規模は24万台だが、販売台数は12万台に止まっていることから、当面は遊休施設をSUVの生産に充てる予定だ。長期的には、追加の設備投資も検討しているという。
ストール社長は「ルノーのSUVの生産を釜山工場に一本化することで、雇用の増大とともにグループ全体の生産ハブとして成長できる基盤が整った」と述べた。さらに、予定通り、来年の初めには日産のティアナ(3500cc)をモデルにした大型セダンのSM7を、下半期には1500cc級のディーゼルエンジンを装着したSM3を市販する予定。今年の下半期には、準中型級の乗用車(1600cc)もお目見えする。
ストール社長は「日産との技術提携を断ち切るとの報道は事実ではなく、ルノー日産の協力を通じたコストダウンにより、顧客もその恩恵を受けている」と説明した。
国内の輸入車市場に参入する韓国日産と別途の販売網を使う理由については、顧客のターゲット層が異なるためだとし、両社が「Win—Win」できる協力策を模索しているというのだ。韓国日産は、日産の最高級ブランドであるインフィニティの販売を予定しているとされ、車種が重複することはない見込みだ。ルノー三星は、昨年の売上1兆6850億ウォン、営業利益946億ウォン、純利益836億ウォンの実績を上げている。前年比の売上は5.1%、純利益は50%の減少となった。
李那姸 金賢眞 larosa@donga.com bright@donga.com