高建(コ・ゴン)大統領権限代行は、23日の閣議で、大統領の特別赦免の断行に先立ち国会の意見を聞くようにした赦免法改正案に対して、「大統領の固有権限を制限することは、違憲の素地がある」として拒否権を行使し、国会に再議を求めた。
高代行はまた、「居昌(コチャン)事件等関連者名誉回復特別措置法」の改正案に対しても、「6・25戦争中の民間人の犠牲者に国家が補償する最初の立法例になり、類似の事件にまで及ぶ波及効果を考慮すると、莫大な財政負担が憂慮される」として拒否権を行使した。
高代行は同日、「大統領権限代行を務める期間に、特別赦免権を行使しない」ことを明らかにし、憲法裁判所の大統領弾劾審判の決定が長引く場合、「仏陀生誕日(5月26日)」に断行される予定だった対北朝鮮送金事件の関係者6人に対する特別赦免が先送りになる見通しだ。
高代行はまた、「政府としては、過去に赦免権を乱用したという指摘に留意し、今後、司法権の本質的な内容を侵害する赦免権の行使は自制する」とし、「赦免権行使の公正性と透明性を確保する次元で、合憲的枠内で司法府が参加する別途の審議機構の設置を講じる」ことを法務部に指示した。
これに対して、ハンナラ党の田麗玉(チョン・ヨオク)スポークスマンは、論評を通じて、「赦免法改正案は、大統領の赦免権乱用を牽制するために発議された」として、「拒否権の行使で法治主義は後退した」と批判した。
一方、民主党の張誠源(チャン・ソンウォン)政策委議長は、「ハンナラ党の赦免法改正は、当初から無理な点があり、違憲の側面があるという政府の主張にも一理ある」と述べた。
ハンナラ党は、再議決の推進を検討するという立場だが、民主党が再議決推進に否定的なうえ、総選を約20日後に控えて臨時国会を召集することは事実上不可能であることから、赦免法改正案は第16代国会の任期終了とともに自動廃棄される見通しだ。
高代行は同日、会議が開かれる前に、朴寛用(パク・グァンヨン)国会議長と4党代表に拒否権行使の方針を伝えた。
一方政府は、補償金の申請期間を5月31日まで延ばす内容の「光州(クァンジュ)民主化運動関連者補償法」と、30日以上の拘禁者に生活支援金を与える「民主化運動関連者名誉回復及び補償法」を公布した。
金正勳 尹鍾求 jnghn@donga.com jkmas@donga.com