台湾の陳水扁総統は27日、野党が求めてきた即時の全面的な再集計を受け入れるとの考えを示した。野党は、総統府前で市民およそ50万人が集まったなか、銃撃事件の真相糾明などを求め、大規模な抗議デモを繰り広げたのに続いて、付近の中正記念堂に移動し、長期抗争に突入している。
陳総統はこの日、記者会見し「26日、中央選挙管理委員会が当選者を公表しただけに、野党側が選挙・当選の無効訴訟を提起すれば、関連法の改正なしに、即時、再集計を開始するとの同意書を提出する考えだ」とした後「ただ、連戦・国民党主席も再集計の結果を受け入れるべきだろう」と話した。
選挙法上、当選無効の訴訟は、当選者を公表した後に、提起するよう定められている。また、陳総統は「国論が分裂する事態を解決するため、29日、条件なしに、連主席と宋楚瑜・親閔党主席に会う」とし「しかし、社会の秩序を阻害する集会は、これ以上容認できないだけに、29日までに総統府前で集会中の群衆は、自主的に解散しなければならない」と話した。
陳総統は、銃撃事件を「自作自演」とする指摘と関連し「独立の専門調査団による真相究明を歓迎し、野党が推薦した専門家も調査団に含ませたい」と付け加えた。これに先んじ、台湾全域から観光バスと列車の便で上京した野党支持市民ら約50万人は、総統府から約2キロ離れたところにある台北駅までの通りをぎっしり埋めたまま、雨に降られながら「不正選挙の真相調査」「陳水扁、下野」などを叫び、デモを繰り広げた。
連主席は「民主は死んだ」とのスローガンが記された壇上に、黒い服装で現れ「即刻かつ公開的で、全面的な再集計」、「銃撃事件の真相糾明」、「国家非常措置を発動した根拠や経緯の説明」などを繰り返し求めた。
同主席は「陳総統はきょう、この集会で、すべての疑問点を説明しなければならない」とし「陳総統がきょう、出てこないならば、4月に大規模な集会を行う予定であり、そのときも、何らの説明がなければ、5月20日の就任式典の際、再び集会を行う」と警告の意を示した。
宋主席は「中央選管委が行う再集計は、陳総統が直接集計を行うのも同然であるから、裁判所または検察が公正な再集計を行うべき」とし「銃撃事件の真相が究明され、再選挙を行うようになれば、副総統候補から退き、連主席当選のために尽力する考え」と話した。
21日未明から7日連続し徹夜でデモを続けてきた市民らは27日の夜、警察の強制解散措置で、総統府から1キロほど離れた所にある中正記念堂に移動したが、これと言った衝突はなかった。一方、中国外務省は27日「米ホワイトハウス側が、陳総統の再選を祝ったのは内政干渉」と非難の意を示した。
黃有成 yshwang@donga.com