米国は、イラクに派兵される韓国軍「ザイトゥン(アラブ語でオリーブとの意)」部隊の駐留候補地を、今週末ごろ、複数で韓国政府に通報する予定だ。
とりわけ、米国側は、撤退方針を明らかにしたスペイン軍が駐留している南部ナザフ地域を、韓国軍の派兵地域から排除していることから、北部のクルード族自治地区が派兵候補地に有力視されている。韓昇洲(ハン・スンジュ)駐米韓国大使は29日、イラクとアフガニスタンを所轄する米中部軍司令部を訪問し、エビジェード司令官に会った。
続いて、韓大使は、スミス副司令官と行った共同記者会見で「エビジェード司令官は、韓国の国会が、和平維持と復興に向けて派兵を決めたとの点を十分理解している、と話した」と伝えた。スミス副司令官は「当初キルクークを含めて、派兵候補地に3地域を考えていたが、キルクークの場合、韓国軍による平和復興作業よりは、安定化活動が必要とされる地域、との結論が下された」と説明した。
同副司令官はもう一つの候補地に取りあげられているナザフについて「非常に狭い地域」とし「ナザフでスペイン軍が撤退しても、韓国軍はさらに広く独立的な地域を担当するようになるはずで、根本的に、平和維持や復興活動に注力する地域になるだろう」と話した。
これによって、エルビル、スライマニヤ、ドフクなどクルート族の自治地区がある北部地域が、派兵地域に取りあげられる可能性が大きくなった。エルビルとスライマニヤは、米軍側が、かなり以前から韓国軍の派兵候補地として内部的に検討してきた地域とされる。スミス副司令官は「韓国軍は、平和復興の活動に力を注ぎながら、防御のレベルから、偵察活動など通常の軍事作戦を行うはずで、韓米間に、攻勢的な合同作戦はないだろう」と明言した。しかし、韓国軍の安全問題と関連し、スミス副司令官は「イラクに、危険でない地域がないだけに、犠牲者が出る可能性があると考えるのが当然だ」と話した。
權順澤 maypole@donga.com