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米軍の再配置が具体化

Posted March. 31, 2004 22:50,   

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1991年の湾岸戦争の際、米軍が標的を確認してこれを破壊するのにかかった時間は24時間だった。しかし、アフガニスタン戦争では45分、イラク戦争では11分しかかからなかった。昨年4月7日、B−1B爆撃機が早期警戒管制機(AWACS)から、イラクのフセイン元大統領が潜伏していると推定されるバグダッド近郊の建物への爆破命令を受け、これを遂行するのにかかった時間が11分だった。

▲戦略環境の変化をもたらした新兵器〓米国の大規模海外駐留軍運用システムは、テロとの戦いの遂行という戦略的な環境の変化に伴って改編されている。

ワシントンポスト紙は25日付で、「戦力再配備は海外駐留米軍の帰郷を可能にするなど、画期的な変化をもたらす」とし、「これに歩調を合わせ、核心兵器が速やかに移動し、全世界に広範囲に投入されるだろう」と報じた。

これには、ストライカー(Stryker)装甲車とC−17輸送機の結合という21世紀先端軍事技術の発達がある。つまり、米国本土から紛争地域に、米軍と装備を直ちに運ぶことが可能になり、従来の駐留地が必要なくなったのである。

第2次世界大戦の英雄スチュアート・ストライカーとベトナム戦争に参戦したロバート・ストライカーの名前を取って作られた同装甲車は、タイヤが8つで、時速62マイル(約106km)の最高速度を出すことができる。現在主力の戦車であるM1タンク(重さ67トン)に劣らない破壊力を持つが、兵器を装着してもわずか19トンという起動性を誇る。

有事の際、韓半島に投入される迅速配置旅団(SBCT)の主力兵器であるストライカーは、米国本土からC−17、C−5、C−130などの輸送機に積まれて全世界どこへでも行く。

特に、次世代の大型輸送機であるC−17の場合、離陸に必要な滑走路の長さがわずか914mで、滑走路がなくても離陸できる。米陸軍は2010年までに、全世界どこへでも72時間以内にストライカー旅団を配置することができるようになると期待している。

米ボーイング社は、超大型輸送機ペリカン(Pelican)も開発中だ。翼の長さだけでも109mもあるペリカンは、1400トンの貨物を積んで、一度に1万6000kmを飛ぶ超大型輸送機。ペリカンは、1度にM1戦車17輌を輸送でき、5日以内に1個師団を配置できる輸送能力を目標にしている。米国がペリカンの開発に成功した場合、強いて同盟国と摩擦を生んでまで海外に駐留する必要がなくなるというわけだ。

▲同時多発テロによる戦争概念の変化〓このような軍事技術は、戦争概念、特に同時多発テロ後の戦争概念を根本から変えた。冷戦時代の場合、大規模駐留兵力を通じて相手の攻撃を抑止することができた。逆説的だが「敵の合理性」に根拠を置く戦略だった。しかし、テロ集団にはそのような合理性を期待することは難しい。

「敵の合理性」を期待できないという判断から出たのが、先制攻撃(preemptive strike)の原則だ。米国とソ連という2大国の戦線を軸に形成された冷戦時代の戦争予防策が「抑止戦略」なら、脱冷戦テロリズム時代の戦略は先制攻撃である。米軍の21世紀再配備戦略も、ここに焦点が合わせられている。



金影植 spear@donga.com