▲公営企業の役員は「戦利品?」〓柳健(ユ・ゴン)韓国観光公社社長は主に保険業界で働いてきた。昨年6月観光公社社長に就任する前まで「観光」業務とはほとんど縁がなかった。柳社長は02年の大統領選挙期間当時、盧武鉉(ノ・ムヒョン)候補の政策特別補佐官(特補)を務めた。
李鳳洙(イ・ボンジュ)韓国馬事会副会長は盧候補の農業政策特補を務めた。金海(キムヘ)農業経営人会会長を務めて、00年には金海で当時民主党候補として総選挙に出馬したこともある。最近になって大統領秘書官出身たちが相次いで公営企業など政府関連機関に進出している。
先月は権寧晩(クォン・ヨンマン)大統領秘書室報道支援秘書官がEBS副社長に電撃的に抜擢されて労組の反発を買ったこともある。郭海坤(グァク・ヘゴン)大統領秘書室制度改善秘書官も今年2月、韓国不動産信託業協会常勤副会長へ席を移した。
▲公営企業の監事が特にひどい〓韓国電力公社の子会社6社のうち、政界出身でない人が監事を務めているところは韓国東西発展と韓国南部発展だけだ。
また、辛宗官(シン・ジョングァン)盧候補釜山選対委共同本部長は昨年6月韓国輸出保険公社の監事に、そして崔基先(チェ・ギソン)民主党総務局長は昨年7月、韓国ガス安全公社の監事に席を移した。これだけでない。大韓石炭公社の李東燮(イ・ドンソプ)監事は盧候補中央選挙対策委員会組織本部副委員長出身で、韓国地域暖房公社の李泰憲(イ・テホン)監事は大統領職引き継ぎ委員会の諮問委員を務めた。このほか、崔用植(チェ・ヨンシク)韓電KDN監事も民主党中央研修院の副院長出身だ。
公営企業ではないが、盧候補の特補を務めた兪焌圭(ユ・ジュンギュ)氏は海外建設協会長を、大統領職引き継ぎ委諮問委員を務めた金東洙(キム・ドンス)氏は専門建設共済組合の監事をそれぞれ引き受けている。
▲専門性に欠ける「天下り」の陰〓このように政治的理由で公営企業に進出した人物らの問題点は専門性に欠けていることだ。田允迵(チョン・ユンチョル)監査院長はかつて企画予算処長官の時、「貸借対照表もろくに理解できない人々を公営企業の監事に座らせて、きちんとして監査が行われるもんか」と強調して話題になったことがある。
安在旭(アン・ジェウク)慶煕(キョンヒ)大経済通商学部教授は、「専門性のない人物が天下りで公営企業に籍を置くことになれば、公営企業の効率性が低下される。天下りの人事が消えないのは自分の権力を最大化するため、側近を要職に座らせようとする権力者の意志と側近に対する配慮が相まっているためだ」と指摘した。
これについて大統領府の関係者は、「公営企業の人事は企業内部で適切な人選の手続きを踏んで、主務部処で適任者を任命している。政界の出身も公営企業の特性に合えば任命でき、政界の人事だからといって頭から天下りと決め付けるのは理解し難い」と述べた。