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[オピニオン]「核リュック」

Posted April. 07, 2004 22:22,   

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「核カバン」というのは、米国とロシアなどの核大国の首脳が核兵器を統制する通信装備が入った「ブラック・ボックス」を示す。両国の大統領は在任中、核カバンを常にそばに置いていた。政権が変わる時、新任大統領が一番先に手に入れるのが核カバンだ。心臓手術を2回も受けたエリツィン元ロシア大統領は、麻酔から覚めるや、首相に預けた核カバンを取り戻した。核カバンが、国家安保はもとより権力の象徴だからだ。

△米国とロシアは、また他にも核カバンを持っている。高層ビル2、3個を一気に破壊できる威力を持ちながら、重さは、最も小さなもので30kg程度しかならない小型戦術用核爆弾だ。米国では、破壊用特殊核爆弾(SADM)が元来の名前だ。リュックサックのような形で背負って運ぶことができることから、「核リュック」とも呼ばれる。密かに敵の心臓部にまで入り込み、時限爆発装置をセットして、その場から抜け出せるという。しかし、米国とロシアがこの兵器に関する詳細な情報を公開したことはなく、うわさだけが流れ、正体は依然としてベールに包まれている。

△最近ロシアの戦略ミサイル軍司令官を務めたビクトル将軍が、この兵器について公に言及して話題を呼んでいる。ロシア軍は、これまで公式にはこの兵器の存在さえ明らかにせず沈黙してきた。そのため軍ではなく特殊機関が管理しているという推測もあった。しかしビクトル将軍は、RA115という名はもとより、この兵器が実際に存在し、戦略ミサイル軍が保有しているという事実まで明らかにした。

△97年にも、この兵器をめぐり論議があった。2年前、ヘリコプター事故で死亡した元将軍の政治家アレクサンドル・レベド氏が初めてこの兵器の存在を明らかにし、「旧ソ連が保有した132個の核カバンのうち、48個が消えた」と暴露したためだ。ロシアの核兵器管理がこのようにいい加減であることから、この兵器がいつか北朝鮮のような国やアルカイダなどのテロ団体の手に渡るかもしれないという憂慮があった。全世界がテロの恐怖に震えている今日では、超大国の首脳の核カバンよりは、いつテロに使われるかもしれない「核リュック」がより恐ろしいのが現実だ。

金ギヒョン、モスクワ特派員 kimkihy@donga.com