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[社説]在韓米軍のイラク派遣、韓米同盟の現住所なのか

[社説]在韓米軍のイラク派遣、韓米同盟の現住所なのか

Posted May. 17, 2004 22:56,   

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在韓米軍数千人の兵力をイラクに派遣するという米軍の計画が、韓国に与える衝撃は複雑だ。まず、米国が在韓米軍をイラクの安定のために派兵するほど、韓米同盟が緩みだしたのかという根本的な疑問を抱かざるを得ない。北朝鮮核問題など、韓半島の状況が決して安定的だと言えない時に大規模の米軍が抜ければ、不安心理が高まることは避けられない。安保不安は、きのう即座に、株式市場に一部反映したものと分析される。安保を主な変数と見る外国人投資家や国家信用レベルに、今後いかなる影響を及ぼすか心配だ。

韓米間の論議の方式も、憂慮される。政府は、米軍派兵規模と時期などに関して、韓米間で協議していると明らかにしたが、米国が立てた計画の骨子を変えることは不可能に見える。事実上「一方的な通告」と見るほかない。米国が、韓米両国の必要性によって駐留している米軍を一方的に派兵することは、韓米の同盟関係に重大な問題があるという信号であると同然だ。2週間前にラムズフェルド米国防長官が、在韓米軍の派兵の可能性を示唆した時、何の対応もしなかった政府の態度も釈然としない。

万一、遅れているイラク派兵や、米軍基地移転に対する一部国民の反感、漸増する反米感情などが在韓米軍派兵に影響を及ぼしたなら、事態は深刻だ。ますます悪化するイラクの事態を安定させるために追加兵力が切実な米国の立場は、理解に難くない。韓国が、約束した追加派兵を先延ばしにしていることも事実だ。韓米間の見解の差が、在韓米軍派兵をもたらしたのではないか、検証する時が来た。

韓米同盟関係の問題よりは、米国の変化した戦略のレベルで米軍派兵を考えるべきだとする見方もある。政府高官は、「米国は、海外駐留軍の役割変化と再配置計画によって、在韓米軍を派兵するのであり、韓国のイラク派兵に圧力を加えようとするものではない」と説明した。

欧州に駐留する米軍や在日米軍もイラクに投入されており、在韓米軍派兵に対して過度な不安を抱く理由はないという分析もある。米国は、必要な地域に米軍を派兵して、再び駐留地に復帰させるいわゆる「戦略的柔軟性」を追求するため、在韓米軍の復帰が保障されるなら、あまり心配しなくてもいいという主張だ。

しかしそのような次元で米国が兵力を派兵しようとするなら、在韓米軍に対する認識を根本的に変えなければならない。在韓米軍を北朝鮮に対する抑制力のレベルで見るのか、地域安保軍と見るのか、韓国の立場を整理すべき時になった。変化した戦略を駆使する米軍に適切に対応するためには、韓国の見解も変わらなければならない。

政府は、すべての変数を考慮して、最善の収拾策を講じなければならない。在韓米軍なしに自主国防をする自信があるならいいが、そうでなければ、韓米共同で在韓米軍派兵または削減に伴う安保不安を解消する案を必ず設けなければならない。たとえば、先端兵器の韓半島周辺配置は、米軍派兵による戦力の空白を速やかに補うことができる対策である。

イラク派兵問題も、これを機に決着をつけなければならない。今は、街の声に影響されて韓米関係を決める時ではない。現実を認めて、冷静に対応しなければならない。韓米がどのような論議をしているのか可能な限り公開することも、国民の不安を減らす方法である。