「アテネ高地に向けた5分稜線を超えた」
8月、04年度アテネ五輪で月桂冠を狙う「国民マラソンランナー」李鳳柱(イ・ボンジュ、34、三星電子)が中国昆明から25日間の高地帯訓練を終えて25日未明、帰国した。
海抜1900mを超える昆明は、高地訓練の最適地。有酸素運動であるマラソン・フルコースを完走するために必要な血液内酸素供給を極大化する点において、昆明に勝る地域が無いという。李鳳柱も大規模な大会出場を控えて、この間、4回も昆明で身体を鍛えた。
今回の訓練は以前とは比べものにならないほどハードだった。30歳を遥かに超えた今も相変らず世界トップレベルの持久力を維持している李鳳柱だが、今回の訓練は、筋肉痛に苦しみ、唇に水ぶくれができるほど高強度なものだったという。
平地に比べ酸素量が18%も不足している高地帯なので、最初は10kmを2時間で走る「距離走」訓練も大変だった。しかし、身体が次第に高地帯に適応し、訓練を終える頃には35kmを走るのも全然負担ではなかったと。
丘が多いうえ、蒸暑さと高い湿度の中で走らなければならないアテネコースは、完走自体が難しいと言われる難コースだ。アテネコースを征服するための初訓練を無事に終えた成就感のためか、同日、仁川(インチョン)空港入国ゲートに入る李鳳柱の表情は明るかった。
オ・インファン三星(サムスン)電子監督は、「アテネコースは他大会のコースより体力消耗が1.5倍ぐらい多いものと予想されるだけに、記録よりは順位競争に訓練の焦点を合わせている。昆明訓練を通じて50%ぐらい目標を達成した。今後は体力の極大化に重点を置いていくつもりだ」と述べた。
李鳳柱は来月2日から、江原道横渓(カンウォンド・フェンゲ)で体力補強訓練を実施した後、アテネと地形が似ているイタリア・ブレシア(7月12〜19日)とスイス・サンモリッツ(7月19日〜8月6日)を経て、8月7日、ギリシア・アテネに入城する予定だ。五輪のマラソン大会は8月29日午後6時(現地時間)に開かれる。
金尙浩 hyangsan@donga.com