盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が大統領直属機構である腐敗防止委員会(腐防委)傘下に「高級公職者不正調査処(公不処)」を設置することを指示したが、これを受けて権力層に対する捜査の主体と性格に根本的な変化が起きるのか、注目される。
一部では「肥大化した検察権力の分散と、独立的かつ体系的な公職者に対する不正腐敗捜査のために必要だ」と歓迎している。しかし、検察の反発が強いうえに特別司法警察権の付与による捜査指揮権問題があり、形事訴訟法の改正など解決しなければならない課題が多い。
▲内容と背景〓公不処の性格と在り方などについて確定したことは何もない。公不処を腐防委の傘下に設置するという盧大統領の「意志」だけが確認された。大統領の構想は、このような捜査機関を検察ではない腐防委傘下に設置するということとみえる。
公不処は独立した捜査官を置いて高級公職者とその配偶者、直系家族の不正を常時見張る特別司直機関になる可能性が高い。捜査対象では大統領と首相、長官・次官、国会議員、監査院、国家情報院、警察庁など権力機関の高級幹部、判事・検事、軍の将軍、広域自治体の首長らが含まれる見込みだ。
公不処の新設は大統領選挙当時、盧大統領の公約事項だったが、第17代総選挙のときはヨルリン・ウリ党とハンナラ党の共通した公約でもあった。このような組職を検察の外に新設するということは「検察の捜査だけを信頼していない」という意味に解釈される。
▲争点は起訴権の付与問題〓現行法は検事だけが起訴することができる「起訴独占主義」を採択している。(形事訴訟法246条)
もし公不処に起訴権が与えられた場合、起訴独占主義が揺らぎ、検察の在り方の低下が予想される。また、不正腐敗捜査の2元化で「検察捜査の花」と言える特別捜査機能が大幅に縮小し、最高検察庁の中央捜査部とソウル中央地検の特捜部などが名ばかりに終わる可能性もある。
一方、公不処に起訴権が与えられない場合、公不処は衛生取り締まりを引き受ける区役所のように特別な分野の1次調査権だけを持つ、もう一つの「特別司法警察機構」になる可能性がある。
▲検察の反発〓最高検察庁の関係者は「大統領選挙資金捜査などを通じて検察が政治的中立性と国民の信頼を回復しながら変化している状況下で、外部に司直機関を新設するのは屋上屋になるだろう」と話した。一部の検事らは「本当に検察が信頼できない組職なのか」と不快感を隠さなかった。
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