「コメディーの女王」金ジョンウン(28・写真)にコミック演技は「必殺技」なのかも知れない。
映画「家門の光栄」(02年)で溌剌で変わり者の組織暴力団の娘を演じて観客500万人を集めたが、メロ映画「蝶」(03年)では悲恋の女主人公を演技して興行惨敗という苦味を味わった。
6月5日から放映されるSBS(ソウル放送)の週末ドラマ「パリの恋人(夜9:45)」で金ジョンウンは、女主人公のカン・テヨン役で再びコミック演技を披露する。貧しいパリ留学生であるカン・テヨンが、屈指の自動車会社パリ支社長である朴辛良(パク・シンヤン)に会って恋に落ちるシンデレラ物語だ。
18日、撮影場であるソウル江南(カンナム)のあるホテルで会った金ジョンウンは、目も声も生き生きとしていた。
○SBS新ドラマ「パリの恋人」に出演
——テレビ・ドラマ主演は初めてですね。普通はテレビでスターになってから、CMも撮り、映画にも出演するのですが。
「私は逆だったんです。普通は映画俳優になったら、テレビ出演は避けるんですが、私はメディアを問わないんです。それに、テレビCMでスターになったのだから、良い演技で恩返ししなければならないとも思います」
——「パリの恋人」のカン・テヨンはどんなキャラクターですか。
「貧しくて、腕白で、次から次とミスを犯しますが、でも可愛らしい、そんな役です。私はいたずらっぽくてふざけるんですが、相手役である朴辛良氏は重みがあります。またもシンデレラ物語かと責めないでください。つかの間でも、現実を忘れて夢を見るのはいいじゃないですか」
——シンデレラの馬車とドレスの話もちょっと聞かせてください。
「劇中で朴辛良氏のパートナーとしてドレスを着てパーティーでワルツを踊るシーンがあるんです。ダイヤモンドのネックレスがストーリー展開における重要な小品なので、このネックレスを目立たせるために、ドレスは肩を露出させたシンプルなデザインを選んだんです。ネックレスは元々は8000万ウォンのものにしようとしたんですが、忘れたら大変なので、そっくりの300万ウォンの偽者に変えました。馬車はリムジンですが、車の前から後の門まで結構走らなければならないほど長いんです」
——テレビ・ドラマの主演を一度もしないでスターになった金ジョンウン氏こそ、まさにシンデレラーではないんでしょうか。
「あら、そうではありません。新人時代に、演劇映画科出身たちに負けないよう、すごく努力しました(彼女は建国大工芸科を休学中だ)。他人の台詞まで全部覚えたんです。そうしてこそ私の台詞もまともにできるんです」
○「PDの注文通り100%の演技をするコンピューター」
——テレビと映画の差は何でしょうか。
「テレビのが冷たいです。少しでも退屈すると、すぐにリモコンでチャンネルを変えてしまいますから。そのため、瞬発力が必要で、目を離せなくする細かい面白さが必要なんです」
——演出を担当したシン・ウチォルPDが、「金ジョンウン氏は注文した内容を100%出力するコンピューター」と言ってました。カメラが後姿を撮った後、ゆっくり動いて顔を撮る時に涙を一滴流して欲しいと言ったら、その通りにしたんですってね。
「立派なシナリオが立派な演技者を作ると思います」
——この頃の女優は醜態を見せなければスターになれないみたいです。
「トイレも行かないようなお姫様は人気がないようですね。私も時代に恵まれたと言えます」
——10年前ならスターにはなれなかったという意味ですか。
「私はどんな時代にでも生き残ります。」
李珍暎 ecolee@donga.com