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[オピニオン]ハッキング部隊

Posted May. 27, 2004 23:05,   

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「20××年×月×日。首都ソウルに蜘蛛の巣のように張りめぐらされたコンピューター・ネットワークが事故を起こし出す。電力の供給が中断し、電話、交通、金融などのすべての電算システムがマヒし、都市は一瞬にして混乱に陥る。国防情報ネットワークもダウンして、各軍の指揮統制が不可能になる。幸い戦闘機の離着陸は手動でできるが、本部の戦術統制は機能せず『目の見えないカラス』のようだ…」。『ハッカー戦士(hacker warrior)』が主役で登場する南北サイバー戦争(cyber war)の仮想シナリオだ。

◆本格的戦争に突入する前段階を描いているこのような状況が、果たして現実のものとなり得るのか。答は「十分に可能だ」である。北朝鮮が人民武力部偵察局傘下に、ハッキング部隊を運営しているという事実が確認されたからだ。他のことはともかく、コンピューター・ソフトウェア開発分野では他国に後れをとらないと自負する北朝鮮だ。ハッカー戦士を養成する人的資源も豊富だということだ。「育成された一人のハッカーは1万人の兵士に勝る」という言葉から分かるように、これは北朝鮮には見逃すことのできない「新天地」であったろう。

◆湾岸戦争の時に初めて登場したサイバー戦争の手段は、その後ユーゴ紛争(1999年)など、ほぼすべての紛争で威力を発揮した。米国、ロシア、中国などが、「サイバー部隊」を創設して多様な攻撃や防御手段を開発するなど、同分野の研究に最も積極的だ。イラン、キューバ、北朝鮮などの貧しい国々の関心も高い。数百万ドルもするミサイルを使わなくても、論理爆弾(logic bomb)やコンピューターウイルスで、敵の神経網をマヒさせる「廉価」戦争の手段であるからだ。過去、化学兵器が「貧者の核兵器」と呼ばれたのもこのような論理からだ。

◆情報技術(IT)分野で世界の先端を走るという韓国はどうか。不幸にも、これまで政府レベルの対策は別段なかったようだ。むしろ民間で数日前から「10万ハッカー養成」を主張するなど、積極的だ。このような点で一昨日、国軍機務司令部が北朝鮮のサイバー攻勢に対する警戒心を促したことは、むしろ遅ればせながらの感がある。北朝鮮のハッカー戦士に「サイバー大韓民国」を撹乱されてはいけない。

宋文弘(ソン・ムンホン)論説委員songmh@donga.com