宗教の信念による「良心的兵役拒否者」に対する裁判所の判断が食い違っていることから、混乱が起きている。春川(チュンチョン)地方裁判所の李哲儀(イ・チョルウィ)判事は28日、宗教の信念を理由に兵役召集を拒否した疑い(兵役法違反)で拘束起訴された「エホバの証人」の信徒李氏(21)に懲役1年6ヵ月を言い渡した。
李判事は判決文で、「宗教の信念を理由に軍事訓練を受けられないとして兵役召集を拒否したのは正当な(兵役拒否)の事由とみられない」とした。李判事は、「宗教や良心の自由で兵役を拒否するのは宗教的自由や良心の自由に属しないというのが最高裁判所の立場であり、その判例に従っただけだ」と説明した。
これに先立って21日、ソウル南部地方裁判所刑事6単独の李政烈(イ・ジョンヨル)判事は、エホバの証人信徒のチョン某(23)、オ某氏(22)に対して無罪判決を言い渡して議論を巻き起こした。李判事は、「現行の兵役法は正当な事由なしに入隊しなかったり、召集に応じない場合に限って処罰することになっている。良心の自由を保障する憲法に従って被告人の兵役拒否は正当な事由になると思われる」と無罪宣告の理由を明らかにした。
一方、水原(スウォン)地裁城南(ソンナム)支院の閔丙勳(ミン・ビョンフン)令状専担判事は28日、兵役法違反の疑いでエホバの証人の信徒、イム某氏(20)に対して警察が申請した逮捕令状を棄却した。閔判事は、「住居が一定して逃走と証拠隠滅の憂慮がない」と棄却の事由を明らかにした。イム氏は身柄を拘束されないまま裁判にかけられるものと見られる。
これに先立ち27日、全州(チョンジュ)地裁は警察が同様の疑いで朴某氏(20)に対して申請した逮捕令状を発行して朴氏は身柄を拘束された。
李宰明 崔昌洵 egija@donga.com cschoi@donga.com