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[オピニオン]外国人総長

Posted May. 31, 2004 22:31,   

한국어

ギリシャの都市国家が衰退し、ローマが覇権を握った後も、ギリシャ人は知性の代名詞として長い間君臨してきた。ローマの貴族は子供の教育をギリシャ人教師に任せるのが慣わしだった。ギリシャ人は地中海のいたるところで学問を伝える役割をひとえに受け持ってきた。ギリシャ文明の偉大さを知らしめるよい例だが、ギリシャ人の知識を適切に活用して世界を征服したローマに対しても注視する必要がある。すばらしい知識を持ちながらも団結力が欠けていたギリシャが衰えた反面、ローマは開放性と包容力を土台にして帝国を建設した。

◆1998年ノーベル物理学賞を受賞した米国のロバート・ラフリン教授が最近、韓国科学技術院(KAIST)の総長に選出されたことは、大学に変化の風が徐々に吹き始めたことを見せてくれている。これまで大学は外国人はおろか、外部の要人に総長を任せることさえはばかる雰囲気だった。KAISTのみならず、成均館(ソンギュンカン)大学も9月に開院する経営大学院の院長に米国のロバート・クレムコスキーを任命し、ソウル科学総合大学院は米ハーバード大学法科大学の副総長を務めたデイビッド・スミスを総長に招いた。彼らがどれだけ韓国の大学に適応し、成果を収めるかが関心の焦点となっている。

◆だが、懸念すべき点が多いことも否めない。外国人総長にとって韓国の大学文化は不慣れな点もあるだろうし、大学に対する規制も外国よりはるかに厳しい。外国人に対する排他的な感情も全くないとは言えない。韓国行きを決めた外国人総長もこうした点を十分に考えただろうが、その差を埋める責任は大学の方にもっと大きい。サッカーでのヒディンク監督の場合のように、大学が全面的な信頼と援助をすべきだ。

◆大学の競争力を短期間に高めるためには、大学経営のノウハウを外部から学ぶほかない。外国人総長は、韓国の大学運営の問題点として指摘されてきた学縁や人脈から自由だ。外国人総長の迎え入れは失敗の可能性もある「実験」だが、もし成功すれば大学文化を大きく変化させることができる。大学の先進化、グローバリゼーションは毎年外国へ流出する留学資金を減らすためにも、ぜひ必要だ。そのために重要なことは、知識が一枚上手だったギリシャ人を抱擁したローマ人のように、韓国の大学も開放的な姿勢を示すことではなかろうか。

洪贊植(ホン・チャンシク)論説委員 chansik@donga.com