警察は、法務部など政府関係省庁の「知的財産権侵害防止総合対策」に基づき、4月末〜6月末までを「特別取締り期間」に定めている。これを受けて、最近高級ブランド品のコピーを製造販売してきた業者が、次々と警察に摘発されている。
ところが、この様な特別取締りにもかかわらず、コピー製品市場は依然としてにぎわっている。
▲「消費者は見栄、商人はキャッシュ商売」〓度々コピー製品を購入しているという安(アン)さん(25、女)は「名品を所有したいが、あまりにも高価なため、コピー製品を購入している」と語った。
10万ウォン台のコピーバッグを購入した金さん(32、女)は「デパートで買えば30万ウォンぐらいはする」と言って「コピー製品でも持ち歩いていれば本物と間違われる。あえて高い金を払って本物を買う必要があるのか」と問い返してきた。
偽物でおしゃれをする消費者の背景には、厳しい内需不振に苦しむ、零細な製造業者がいた。
コピー製品を専門に扱う李氏(47)は「本物を何品か売るよりも、コピー製品を一つ売った方が遥かに儲かる」と語った。
普通サイズのコピーバッグをつくる費用は、1万5000〜2万ウォン。偽物の生地を使っているうえ、手抜きで造っているので、こく程度の値段で十分だというのだ。商人は、これを本物の半分くらいの価格で販売しているため、少なくとも10倍以上の利益を得ることになる。また、やみ取引の特性上、決済は現金のみ可能だ。
▲「100億ウォンは基本」〓警察が、4月26日〜5月29日までのおよそ1ヵ月間、全国で商標法違反で取締った件数は799件。03年1年間の取締り件数1910件の40%を超える数字だ。
警察庁の関係筋は「今年の初め、米国が韓国を知的財産権の優先監視対象国に挙げているほか、欧州連合(EU)の通商圧力も予想されることから、政府レベルの危機意識が高まっている状態」だとしながら「しかし、取締り期間であるにもかかわらず、コピー製品の製造販売が収まる気配は感じられない」と語った。
ソウル清凉里(チョンリャンリ)警察署の金巡査部長は「コピー製品を専門的に取り扱う業者は、1〜2年ほどで、定価基準にして100億ウォン分相当の物を造っている」として「韓国は香港と並んで、コピー製品の『2大国家』に挙げられている」と語った。
特許庁産業財産保護課の崔(チェ)ビョンヨン事務官は「コピー製品の市場規模が正品市場規模並みだと推定されるほど、コピー製品が蔓延っている」としながら「これは、他国との通商貿易交渉において、かなり不利な影響を及ぼす」と語った。