ケリー米国務省次官補(東アジア太平洋担当)は2日、米国が北朝鮮に支援した食糧が、住民らに実際に配分されているかどうかを検証するのは難しいうえ、北朝鮮軍の維持に転用され得るとし、懸念を示した。
同次官補は、米下院の国際関係委員会・アジア太平洋小委員会の聴聞会で「北朝鮮軍が(食糧など)資源を過剰に使っている問題」と「食糧を軍に優先的に配分している可能性」、「先軍政策」などを指摘した上で、米政府は世界食糧計画(WFP)が要請した今年分の対北朝鮮支援問題について「綿密に検討している」と話した。
また、韓国と北朝鮮の経済協力についても「真剣かつ透明に行われており、(北朝鮮)政府とその活動への補助金でない限り、問題がないと判断している」と述べ、南北経済協力も対北朝鮮食糧支援問題と同じ枠組みから注視していることを示唆した。
ケリー次官補は「米国は、ここ数年間、約8億ドル(約930億円)分の食糧を北朝鮮に支援してきた」とし「北朝鮮には約50人のWFP国際監視団が常駐しているが、一部を除いては、概して活動が円滑でなく、監視が順調に行われていない」と強調した。
次官補は、さらに「核問題のほかにも、北朝鮮の資源を、過度に枯渇させる通常戦力の軍隊も、依然として問題だ」とし「食糧は代替が可能なため、米国が支援した食糧のおかげで、北朝鮮が自国生産の食料を軍隊の需要に優先的に回すことも考えられる」と指摘した。また「北朝鮮に関しては、核問題に優先順位を置いているが、人権問題と弾道誘導弾の生産問題も深刻だ」と付け加えた。
權順澤 maypole@donga.com