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聖地の姿失った国立墓地

Posted June. 06, 2004 22:47,   

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第49回顕忠日(ヒョンチュンイル・戦没者慰霊日)である6日の午後、ソウル銅雀区(トンジャック)にある国立墓地の「平和の家」前の芝生。

参拝客20〜30人がござを敷いて座り、持参した食べ物をつまみとして焼酎を酌み交わしていた。

このような風景はあちこちで見受けられており、一部の参拝客はパラソルまで用意して「家族のピクニック」を連想させる風景だった。墓地周辺の芝生には、前日飲んだとみられる焼酎の空きビンが散らばっていた。

しかも、写真や風船、簡単な料理などを売っている屋台も墓地の中で堂々と商売をしていた。彼らは顕忠日当日には車の出入りを統制するため、数日前から顕忠院内の駐車場に車を止めておいた商人たち。

参拝客の中には、厳かな場所にはふさわしくない赤の服を着たり、サングラスをしている人も多かった。

殉国の士や護国の英霊を祭る国立墓地は、一部の参拝客の飲酒や露天商の客引き行為など無分別な行動により、「聖地」としての姿を失って久しい。参拝客が生み出すごみも問題だ。

今年の場合、5日と6日の両日間で計14万人余りの参拝客が国立墓地を訪れているが、2.5tトラック20数台が投入され、50数tのごみの処理に充てられた。

清掃業者のチョさん(63)は、「ゴミ箱からなぜ酒の空きビンがあんなに出るのか理解できない」と話した。

大部分の参拝客と参戦者は、その責任を当局に問い、その名にふさわしい管理を促した。

韓国戦争参戦者の金ヨンスさん(70)は「北朝鮮の英雄墓地や日本の靖国神社などに比べれば、国立墓地は名だけの聖域であり、これは戦没者や参戦者を侮辱することだ」とし、管理事務所に抗議した。

ベトナム戦に参戦した李グァンピョンさん(61)は「先に逝った戦友に会いにたびたび来ているが、参拝しに来たのか週末旅行に来たのか分からないくらいだ」とさびしい気持ちを隠せずにいた。

市民の金ジョンシクさん(58)は「管理事務所側が入り口で参拝文化に関する広報活動を積極的に行い、服装が適切でなかったり酒類を持ち込む参拝客や露天商などの出入りを統制すべきだ。参拝客自らが市民意識を高める時」と強調した。

顕忠院のホームページにも「一国を代表する聖地である国立墓地の名誉を守ってほしい」という書き込みが後を絶たない。

これに対して管理事務所側は「顕忠日当日の午前8時から午前10時は約3万4000人が一気に雪崩れ込む時間帯であるため、露天商などを取り締まるのが難しく、参拝の際に酒を持参するのは伝統のように認識されており、統制が困難だ」とした。また、事務所側は「70人の職員で450万坪にのぼる墓地を統制することは至難なこと」ともらした。

一方、顕忠院管理課によれば、6日午後3時現在、8万7000人余りの参拝客が訪れている。これは昨年の9万6000余人、02年の10万8000余人に比べて年々減少している傾向を示す数字だ。