韓国の所得不平等および貧困水準は、「先進国クラブ」と呼ばれる経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち、かなり高いものだという分析が出た。
これを改善するためには、経済成長を通じた雇用創出に取り組むべきだと指摘された。
韓国開発研究院(KDI)の兪京濬(ユ・ギョンジュン)研究委員は8日、「福祉政策の方向研究」という報告書を通じ、韓国の「ジニ係数」が1996年の0.298から、00年には0.358と、大きく高まったことがわかったと明らかにした。
韓国のジニ係数は、1996年にはOECD加盟国のうち、中間水準だったが、00年には同時期のOECD加盟諸国と比較したとき、メキシコと米国に次いで3番目と高かった。
兪研究委員は「韓国の所得不平等の水準が悪化したのは、通貨危機を経て、就職を諦めた失業者が増えており、学歴別の賃金の格差が拡大しているためだ」とし「このようなことを考慮すれば、00年以降、所得不平等の水準はさらに悪化したものと推定される」と説明した。
これとともに、所得が中間所得層の40%に及ばない貧困層の割合も、1996年全体世帯の7.65%から00年11.53%と急増した。これは、メキシコ(1998年16.3%)に次いでOECD加盟国の中で2番目のものだ。
兪研究委員は、政策勧告を通じ「政府が再分配政策を強化し、所得不平等と貧困を縮小するための政策を無理に推し進めた場合、かえって経済回復の足を引っ張る恐れがある。経済の建て直しによる雇用創出を問題解決の糸口とすべきだ」と強調した。彼は続いて「労働能力がなかったり、不足していたりするため、市場競争から取り残された貧困層に対しては、国が支援を強化すべきだ」と付け加えた。
ジニ係数:所得がどれほど均等に分配されているかを表す値。0に近いほど平等であり、1に近いほど不平等だという意味。
申致泳 higgledy@donga.com