経済の血液とされるお金の回りが悪い。
輸出業種の大企業は、輸出の好調で稼いだお金を投資せず、内部積立金として積み立てている。さらに、お金の流れが活発だった不動産市場も最近になり、取引が急減して冷え込んでいる。
余裕資金はもっぱら銀行に流れ込んでいるものの、銀行は貸出先が見つからず悩んでいる。
このようにお金の回りが悪くなれば、経済も人の体のように手足から腐りかける症状が現れる。庶民層、自営業者、中小企業が苦労を訴えるばかりか、倒れている今の状況がまさにそれだ。
9日、中央銀行の韓国銀行によると、今年の第1四半期(1〜3月)中の総流動性(M3)の増加率は、5.1%で、昨年同期の12.1%の半分以下と低下した。
このような通貨量の増加率は、00年第2四半期(4〜6月)を除いて、1986年以来四半期別に最低のものだ。00年には、企業が負債率を減らすため、借り出しを大挙返済した。
専門家たちは、今年の経済成長率と物価上昇率などを考慮すれば、M3増加率は11.5〜13.5%程度になるべきだと分析している。
これに対し、韓国銀行の金在天(キム・ジェチョン)金融市場局長は「個人は、すでに個人向け貸出し、現金サービスなどを通じ『未来所得』まで使い果たしてしまったので、これ以上の貸し出しはできない状態だ。優良の大企業は貸し出しを受けない反面、中小企業は貸し出しを受けにくくなり、お金が銀行の窓口から出る気配を見せず、流動性の増加率も低下している」と説明した。
このような中で、税金と物価上昇率を考慮した実質金利がマイナス水準であるにもかかわらず、銀行には預金が溜まるばかりだ。3月末現在、19銀行の預金額は722兆744億ウォンで、昨年3月末より8.13%増えている。
大手企業は、余裕資金を貯めておいては、貸し出しを受けず、4月中大企業の貸出金利は年5.70%と、過去最低のものとなった。
三星(サムスン)経済研究所の金京源(キム・ギョンウォン)常務は「最近の不動産市場の取引中断は、建築投資市場まで冷え込ませ、それが全体的なお金回りの更なる悪化につながりかねない。唯一の解決策は、企業規制を緩和し、労使関係の安定化を図るなど、企業が投資に積極的に乗り出せるような環境作りに取り組む一方、富裕層の不安を和らげ、これらが財布の紐を緩めるようにすることだ。」と指摘した。