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アフリカ・ケープ・ぺニンシュラ

Posted June. 16, 2004 22:22,   

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コロンブスは死ぬまで、自分の発見した地が新大陸であることを知らず、結局、この地は後日、アメリゴ・ベスプッチの名を付けてアメリカ大陸と呼ばれるようになった事実。ヨーロッパ人で初めてアフリカ大陸の東方のインド洋の実態を確認し、インド航路開拓の門を開いてくれたバーソロミュ・ディアスが「嵐岬(Cape of storm)」と呼んだ二つの海(大西洋とインド洋)の接点が「喜望岬(Cape of Good Hope)」というもっともらしい名前に変わった事実。そしてもう一つ。「喜望岬」が我々には「喜望峰」と呼ばれるようになったこと。

死んだコロンブスが悔しがり、ディアスが激しく抗議するかも知れないことだが、今はもう仕方ないこと。何であれ歴史に編入されれば、誰も変えることができないからだ。どうして。それが歴史だから。

しかし、喜望岬が喜望峰になった縁由は、現場を見ると類推できた。喜望岬は海岸の平地だ。峰があるなら、近くのケープ・ポイントだけ。87mの高さで、切り立ったこの海岸絶壁の誤解であるようだ。何故なら、西洋人たちもここを喜望岬と誤解しているのだから。

早朝、ケープタウン市内を出発して喜望岬に向かった。西海岸に南行して地の果てを回った後、再び東海岸に北行してケープタウンに戻ってくる一日日程(総200km)だった。途中に海岸の村にも立ち寄り、テーブルマウンテン岸の樹木園も立ち寄るコースだ。

○歴史の希望になった喜望峰…大勢のペンギンとおっとせい

ケープタウンから喜望岬までの地形は半島だ。それも、とても特別な半島だ。西の方は大西洋、東の方はインド洋の二つの大洋を従えた半島だ。この半島では人間と動物がハーモニーを成して生きている。家の前の浜辺はペンギンのねぐらで、村の前の湾の石島は数千匹のおっとせいの安息所だ。

喜望岬の草原ではオーストリッチ(駝鳥の種類)に会い、山岳の道路ではバブン(猿の種類)にも会う。カリフォルニアに似た雰囲気の、全然アフリカらしくないアフリカ。そこが南ア共和国の地の果てを占めた「ケープ・ぺニンシュラ国立公園」だ。

二つの大洋の半島は、両方の海岸のすばらしい海の風景を吟味する海岸ドライブ旅行にぴったりだ。あちこちに絵のように美しい村も見え、海の風光を楽しみながらワインを飲む景色の良いレストランが見える。誰もが一度は住んでみたい衝動を感じる地上の天国のような所だ。

一体どれほど美しいからなのか。「ブラック・マルリン」という海辺の丘のレストランで会ったあるイギリス人が言った言葉をそのまま移せば次のようだ。「Forget it(忘れなさい)」。アメリカ・カリフォルニア海岸道路(モンテレイ半島〜サンタモニカ)と比べてどうかと言う質問に対する返事は、このように断固としていた。

半島(ケープ・ぺニンシュラ)の北端のシー・ポイント(Sea Point)。海岸ドライブの出発点だ。この西海岸の朝の霧は有名だ。南極から北上する寒流のためだが、霧の中に現われる山すそ(左側)と岩の海岸と白砂の浜辺の海(右側)の風景は息が詰まるぐらいだ。続いて到着したセンデ−ベイ。唯一のヌードビーチだが、このような自然の中なら誰でも十分脱げそうだった。

プモンスピーク(海抜592m)という峰が聳え立ったフートベイ海岸。山すその腰を巻いて回る海岸島が素敵だ。この道で南行すれば喜望岬。喜望岬の「喜望」にはこのような望みが盛り込まれている。ヨーロッパの東方にあるという未知の世界、インドに行く航路を見つけようという望みだ。

船が最高の交通手段だった大航海時代。ポルトガル人ディアスの業績は偉大だ。インドに連れて行ってくれる新しい海を発見したこと(1488年)だ。そして10年後。インド航路はバスコ・ダ・ガマによって開拓される。もちろんそれがインドとアジアに対する植民侵奪の信号弾だったのは言うまでもない。

二つの大洋の接点がここだ。寒流と暖流の衝突現場であるここには、いつも強風が吹く。この風のせいで、地の果て周辺は浸蝕がひどくて荒凉としている。平原にはのんびりとオーストリッチが行き交う。実は、ディアスが見つけた喜望岬は大陸の南端ではない。正確には「西南端」だ。本当の南の果ては、ここから東に250km距離のケープ・アグラスだ。

しかし、歴史はディアスに恩恵を与えた。喜望岬の東方へ2kmほど離れた海岸絶壁ケープ・ポイントを大西洋とインド洋の接点に決める。ケープタウンから60km、ケープ・ぺニンシュラの地の果てだ。

ところが、このような明らかな事実にもかかわらず、旅行客たちはケープ・ポイントをアフリカ大陸の最南端だと信じて帰る。ディアスの「偉大なる錯覚」。それは歳月の流れにもかわらず相変らずだ。それも歴史だからなのか。



趙誠夏 summer@donga.com