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ボトックス、実は「感心する名薬」

Posted June. 20, 2004 22:52,   

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最近、韓国でもボトックスが疾病治療という本来の領域を取り戻しつつある。眼の周囲の筋肉が震える眼瞼ひきつけや斜視、脳性マヒ、脳卒中後の筋肉硬直症、偏頭痛、尿失禁、歯並び、筋膜疼痛症侯群、顎の矯正、多汗症などで治療範囲が拡大している。

▲多汗症と筋肉硬直症の治療〓2002年2月、世界最高の医学ジャーナルである「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディスン(NEJM)」にボトックスの多汗症治療效果に対する論文が報告された。研究チームは8時間4カップ分量の汗を流す重度多汗症患者145人にボトックス注射を打った。その結果、汗の分泌量は85%も減少した。

同年8月、NEJMにはボトックスが脳卒中後、硬くなった手首と指の筋肉を弛緩させることに效果があるという論文が報告された。研究チームは患者126人を二つのグループに分けて、Aグループにはボトックスを、Bグループには擬似薬を注射した。その結果、Aグループの63%は痛症が減って筋肉が柔らかくなった。Bグループで症状が良くなった割合は27%に過ぎなかった。

▲痛症治療に高い效果〓ボトックスは収縮した筋肉を弛緩させるとともに、中枢神経系に伝達する痛症信号を鈍化させる。

数年前、米国痛症管理学会誌にもこれを立証する研究結果が報告された。3ヶ月以上痛症の持続している25人の患者にボトックス注射を打った結果、4週間目から痛症が減少しており、8週間目には平均40%で痛症がほとんど消えた。

ボトックス注射を打たれた後、筋膜疼痛症侯群患者55.6%の痛症が減少したという米国神経科学会の研究結果もある。

▲研究結果、続々〓2003年1月、ソウルで開かれたボトックス・フォーラムでは偏頭痛治療の效果が発表された。偏頭痛患者271人を対象にボトックスを注射した結果、85.6%で症状が緩和された。

2001年、米ジョーンズホプキンス医科大学のフィドコック教授は、300人の脳性マヒ患者にボトックス注射を打った結果、90%以上の患者が症状が良くなったと発表した。

今年5月の米国泌尿器学会では、6年間に及ぶ膀胱機能障害を持った110人を相手にボトックス注射を打った結果、67%が尿失禁症状が消えたという発表があった。

▲副作用はないか〓医師らは概してボトックスは副作用が少なくて安全だと評する。しかし、憂慮がないわけではない。米国のボトックス専門家であるエイミー・レング博士はまず運動と痛み止め、マッサージ療法など伝統的治療法を試みて、ボトックスは最後の方法として使用することを勧めた。

また、まだ長期的な副作用に対する研究が少ないという限界もある。英国の科学者ニカルロス・エブリシャミアンは2002年9月、医学ジャーナルの「ザ・ランセット」に報告した論文で「ボトックスが徐々に神経系統を破壊していると言っても誰も気づくことはないだろう」と警告した。

シワ除去のときに現われる副作用は広く知られている。100人のうち1人の割合でまぶたが垂れる。まぶたが腫れたり、あざができたり、無表情な顔になる「マスクフェイス」になったりすることもある。物体がいくつかに見える複視現象と頭痛も現われることがある。

(アドバイス〓ソウルアサン病院神経科の金宗星教授、整形外科の朴スソン教授、三星ソウル病院成形外科の呉甲聲教授、歯科診療部口腔顎顔面外科のホン・ジョンラク教授)



金相勳 corekim@donga.com