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[オピニオン]秘苑

Posted June. 21, 2004 22:46,   

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秘苑(ビウォン)に行ってきた。文化財保護と生態保全のため、28年間一般人の出入りを禁止していた半島池(バンドジ)と玉流川(オクリュチョン)一帯まで回ってみると、感極まるものがあった。2時間半が夢のように過ぎていった。その昔王様が后や後宮の寵姫と一緒に散歩した九重に取り囲まれた王宮の奥深い処をゆっくり歩いているうちに、乱世でも今の時代に生まれてよかったと思われてきた。朝鮮時代の一般庶民に生まれたら到底入ることはかなわなかっただろう。

◆秘苑は朝鮮王宮のうち最も長期間王様が居住していた昌鄹宮(チャンドクグン)の後苑である。一般百姓が入れないという意味で「禁苑」とも呼ばれたが、日本の植民地時代に秘苑と言われるようになった。壬辰倭乱(文禄・慶長の役)の際に、漢陽(今のソウル)の全ての宮殿が焼失すると1610年(光海君2年)に東闕だったここを建て直して、1868年大院君が景福宮(キョンボックグン)を建立するまでのおよそ200年間正宮として使われてきた。景福宮の主な建物が左右対称の特徴を見せているのに対して、昌徳宮は山の麓にそって建てられた建物が谷間に囲まれるようにした、非典型的な造形美が特徴である。中でも秘苑は自然を取り入れたこじんまりとした典型的な韓国美を現している。

◆文化財管理庁が5月1日から一日に3回ずつ半島池と玉流川一帯まで秘苑の観覧範囲を拡大すると観客の反応は大きかった。5月にはインターネットで予約を受け付け始めたら1日で一ヵ月分の予約が終わり、6月には毎日1日ずつ予約を受けているが、0時ごろから2、3分も経たないうちに当日分の予約が締め切られるようになった。家族や職場単位の団体予約も少なくないという。7月から毎日午前9時から一ヵ月分のインターネット予約と20%の現場販売を重ねる計画だ。

◆「美しさは所有する人のものではなく、観賞することができる人のものだ」と随筆家の皮千得(ピ・チョンドク)氏は語っている。その意味で秘苑は見る目がある人たちのものである。秘苑に入って散策してみなくては、ソウルのど真ん中にこんな立派な文化遺産があるということを実感することはできない。160種余りの29万本の樹木と五色キツツキ、ホトトギス、オシドリなど約40種の鳥類が生息している生態の宝庫でもある。たとえ首都を忠清(チュンチョン)地域に移転するとしても、秘苑のためについて行けそうにない。

吳明哲(オ・ミョンチョル)論説委員 oscar@donga.com