大統領府がカナ貿易の社員、金鮮一(キム・ソンイル、34)氏殺害事件と関連し、政府の対応過程に対する全面的な調査に乗り出す方針を固めたことが、24日明らかになった。
大統領府の主要関係者は同日、「金氏の葬式が終って、事態が収拾されれば、国家安全保障会議(NSC)、外交通商部(外交部)、大統領民情首席秘書官室が合同で今回の事件の対応過程で明るみになった問題点を綿密に調べる計画だ」と述べた。
同関係者は、「政府の対応過程について国民に少しも隠さず、責任を問わなければならない場合は責任を取ってもらうというのが盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の確固たる考えだ。『いけにえ』を探すやり方での問責は行なわないが、調査の結果、職務を怠った事実が明らかになれば問責が避けられない」と述べた。
同関係者はとくに、「金氏が拉致された時点が先月31日が事実でならば、ただでは済まない問題だ」と述べ、調査結果によっては外交および海外情報ラインの最上層部に対する問責が避けられないことを示唆した。
一方、APテレビジョンニュース(APTN)は同日、拉致されている金氏の姿が収録されたビデオテープを今月初めに入手、AP通信ソウル支局を通じて金氏の身元と拉致の真偽を今月3日に韓国外交部に問い合わせた経緯があると報道した。
APTNは、外交部が「韓国人拉致の報告は受けていない」と答えたため、当時これを報道しなかったが、金氏事件が発生したことで、同日ビデオテープを公開した。
AP通信は同日午後、メディア関係の責任者を通じて、「3日、ソウル支局の記者が韓国外交部に電話をかけ、『金鮮一という韓国人がイラクで行方不明になっている事実を知っているか』と聞いたが、外交部は『そういう名前の韓国人の行方不明または抑留の事実は知らない』と答えた」と公式に発表した。AP通信は当時、ビデオテープ入手したことには言及しなかったと明らかにした。
金氏は2〜3分分量のこのテープで誰かに向かって英語で自分の名前、生年月日、出生地、家族関係などを話した後、米国のイラク侵略を非難する発言をした。
これについて外交部の申鳳吉(シン・ボンギル)報道官は、午後のブリーフィングで「AP側が公開したビデオテープは外交部と政府全体に深刻で重大な問題を提起しただけに、AP側は誰が外交部の誰と通話したのか明らかにすべきだ。現在、関係省庁と広報官室が独自に調査を進めている」と述べた。
これと関連し、ヨルリン・ウリ党とハンナラ党は聴聞会の推進を検討することにし、民主労働党は現在イラクに派遣されている徐煕・済馬(ソヒ・チェマ)部隊の撤退を促す決議案をまもなく国会に提出する一方、国政調査を進めることにした。
ハンナラ党の金徳竜(キム・ドクリョン)院内代表は常任運営委の会議で、「再発防止のためには責任を問わなければならない」とし、潘基文(バン・ギムン)外交部長官などに対する引責を提起した。
金正勳 尹鍾求 jnghn@donga.com jkmas@donga.com