徳寿(トクス)情報高の優勝で幕を閉じた今年の黄金獅子旗高校野球大会で、投手らは先発と抑えの区別なく登板した。
1回からマウンドに上がり、その後しばらく野手としてプレーして一息入れてから、試合終了間近に再び登板して、火消しに務めることを繰り返した。エース1人への依存度が高いため、勝負の境目となるや、役割を変えて、特定の選手を起用するしかなかった。
最近のプロ野球を見ていると、こうした高校野球を彷彿とさせる。このところますます激しくなった、ポジションにこだわらない風潮が正にそうだ。特に、順位争いから落ちこぼれた下位のチームほどその傾向が強い。
1日現在、シーズン・チーム最多の7連敗の苦境に陥っている7位のLGは、「火消し」チン・ピルジュンを11ヵ月ぶりに先発陣に投入した。
チン・ピルジュンは1995年斗山(トゥサン)に入団し、シーズン最多の42セーブを記録した、リリーフ専門。今年、起亜(キア)を自由契約選手としてはなれた後、4年間で30億ウォンの巨額契約を結び、LGのユニフォームを着た。
しかし、今年は、4敗12セーブで防御率5.68という情けない成績。火消しとしてマウンドに立ったのに、火をあおる始末だ。見ていられなくなったLGのコーチングスタッフは、先月いっぱいチン・ピルジュンを2軍に降格し、先発修行をさせた。そして先月30日、大邱で行われた対三星(サムスン)戦で先発登板したが、3イニングでホームラン2本を含む7安打に四球1で5失点し、敗戦投手となった。チン・ピルジュンのプレーにかすかな希望をかけていたLGは1日、再びチン・ピルジュンを2軍に送る厳しい決定を下した。
6位のSKもまた、31勝33敗7引で5割の勝率に届かない状態で、先発のオム・ジョンウクを抑え投手として起用する大胆な策をとった。オム・ジョンウクは先月29日、ムンハクで行われた対起亜戦、5−4でなんとかリードしていた9回1死から登板し、韓国最高スピードタイの時速158kmの直球を投げ、初セーブを挙げた。気持ちよくチームを守った喜びもつかの間、オム・ジョンウクは2日、蚕室での対LG戦で再び先発としてマウンドに上がる。あれこれ考える余裕もないまま。
金鍾錫 kjs0123@donga.com