労働(ノドン)新聞が最新号(6月23日付)で、北朝鮮の故金日成(キム・イルソン)主席は死去の前日も執務していたと報じ、その背景が注目されている。朝日新聞は13日、日本の北朝鮮専門通信社「ラジオプレス」の報道内容として、労働新聞の報道を詳しく伝えた。
同紙によると、金主席は死亡の1日前である1994年7月7日未明から、前日の経済関連会議で話し合われた内容を文書に作成することに没頭しており、文書の作成を終えた後も、他の仕事をしていたとのこと。同日、豪雨の予報があったため、金主席は農作物の被害を懸念し、ある貯水池へ向かおうとした。
側近が金主席の疲れている状態を考慮し、「金正日(キム・ジョンイル)同志が洪水被害の防止策を講じておいた」と報告すると、安心した表情で仕事を続けたとのこと。午後4時ごろ、側近に再び電話をかけて「発電所の設備と関連した文書を金正日同志に報告したのか」と尋ねた後、仕事を続けた。
夕食のときは、食べ物をあまり口にせず、5分もならないうちに食事を終えた。当惑した側近らがもっと食べるようにと勧めたが、「私が仕事をここで止めてしまうと、金正日同志にさらに負担を与えることになるだろう」とし、休まずに仕事をしていたという。
労働新聞が一歩遅れてこの記事を載せた背景について、朝日新聞は金主席の死去10周忌に際し、後継者の金正日総書記が熱心に仕事をしているとの事実を広報するためのものという見方を示した。同記事では、さらに金主席の死去について、金正日総書記が「執務室で殉職したもの」と言及した内容も含まれていて、死去経緯をめぐる議論を一蹴するとの意図もあるものとみられる。
hanscho@donga.com