米政府が北朝鮮の人権問題に介入し、北朝鮮脱出者を難民と認めて保護するよう勧告した内容を盛り込んだ「北朝鮮人権法案」が21日、米下院本会議で全会一致の可決をみた。同法案は今年9月以降、上院で審理が行われる予定であり、上院でも可決、確定されれば、米国の対北朝鮮政策や北朝鮮人権を改善するための米民間団体の活動、北朝鮮脱出者への保護活動に、相当な変化があるものとみられる。
米下院国際関係委員会のリーチ・アシア太平洋小委員会委員長(共和党)など与野党議員ら10人が今年3月に提出した同法案は、北朝鮮住民の人権改善、北朝鮮住民への支援、北朝鮮脱出者への保護の3分野からなっている。同法案は△北朝鮮や北東アジア諸国と交渉を行う際、北朝鮮住民の人権を主要要素に含ませること△北朝鮮の民主化と北朝鮮脱出者・北朝鮮住民への人道レベル支援活動を行う民間団体に補助金を支援すること△対北朝鮮放送・ラジオの供給を拡大すること−−などを、行政府に勧告している。
それとともに、北朝鮮脱出者を難民と認めて、米国に亡命を申請できる資格を与え、国際的な難民収容所を設けることを勧告する内容も含まれている。また、米政府が毎年、北朝鮮人権改善の支援金200万ドル(約2億2000万円)、自由促進支援金200万ドル、北朝鮮難民支援金2000万ドルを支出できるようにした。
同法案は行政府の交渉裁量権を認め、具体的な内容を強いず、勧告する形を取っているが、北朝鮮の難民状況と北朝鮮脱出者政策に関する報告書を議会に提出するよう行政府に求めることで、行政府に圧迫を加えている。同法案とは別に、ブラウンバック上院議員らが昨年11月に提出した北朝鮮政権の崩壊を促す、さらに強硬な内容の「北朝鮮自由法案」も上院に繋留中だが、議会当局者によると、現在としては、法案可決を期待しがたいという。
權順澤 maypole@donga.com