海外留学中の学生が夏休みに帰国して留学志望者の家庭教師になる「留学家庭教師」がソウル江南(カンナム)地域などで流行っている。高校卒業後、すぐ米国の大学に進学したい高校生が多く、基本的な需要がある上、時給6万〜10万ウォンという割高な収入が保障されるため、留学生らの間で人気だ。
▲割高なアルバイト〓米P大学3年のチョンさん(21)は02年から夏休みにはいつも帰国して家庭教師をやっている。国内の高校生だけでなく、早期留学中に一時帰国した生徒らもチョンさんの「顧客」。
主に米大学受験に必要なSATと、願書提出の際に一緒に出すエッセーの書き方を教えるが、米東部の名門大である「アイビー・リーグ」出身で経歴があれば、時給6万ウォン程度が「定価」となっている。
チョンさんは昨夏の1ヵ月間、家庭教師をして1500余万ウォンを稼いだ。
アイビー・リーグに通っている金さん(22)は昨年、3人の友人とともにソウル江南区(カンナムグ)にある60坪のワンルームを借り、休みの2ヵ月の間、10人の生徒を毎日14時間ずつ指導し、計1億余ウォンを稼いだこともある。
現在、江南区駅三洞(カンナムグ・ヨクサムドン)で留学志望者3人を教えているノさん(24)は「学費や寮費まで年間留学費用が5000万ウォンは基本。休みの間でも一所懸命に稼いで両親の負担を軽くしたい」と話した。
▲「留学市場」は好況〓休みの度、留学生が帰国行列をつくるのは需要があるため。チョンさんは「SATを準備している人が集まるネット・コミュニティを通じて家庭教師になった。簡単で、求職の心配などしたことがない」と話した。
庶民の塾費支出の減少と教育放送(EBS)の受験講座の影響で、一般の学校外教育市場が冷え込んでいる一方で、留学市場はその規模がさらに拡大している。
W留学院の金さんは「最近は英語の早期教育により、米大学受験を身近に感じている。留学準備クラスの開設を予定している塾が多い」と語った。金さんは「一般の高校では留学への支援が皆無であり、どうしても家庭教師や塾に頼るしかない」とその原因を説明している。
しかし、このような留学生家庭教師について教育人的資源部(教育部)の関係者は「ワンルームでの授業は違法であり、在宅授業の場合、大学在学生は未申告対象ではあるが、高額家庭教師の申告に対しては、該当の教育庁で禁止したり罰金を科すこともできる」とした。
同じ脈絡から、留学生に対する事後管理にも気を使うべきだという指摘だ。教育部によれば、大学学部以上の留学生数は1999年12万余人から、01年14万9933人、03年15万9903人と増加の傾向にある。
延世(ヨンセ)大の韓駿相(ハン・ジュンサン、教育学)教授は「留学が一般化したため、韓国の大学も緊張する必要があるが、国も彼らをどう管理するか具体的な方策を考えるべきだ」と述べた。
趙梨榮 申水晶 lycho@donga.com crystal@donga.com